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「人間は強い」鎌田實さんオススメ映画3本

2016年4月7日 20:07
「人間は強い」鎌田實さんオススメ映画3本

 キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。7日のテーマは「人間は弱いけど強い」。諏訪中央病院・鎌田實名誉院長が解説。

 鎌田さんは、いくつもの映画会社から評論を求められるほどの映画通でもある。今回は、今週末公開される映画の中から、人間の弱さ、強さ、生き方を考えさせる映画3本を紹介する。


■言葉も過去も持たない男との奇妙な生活
 1本目は、人生を考えさせられるオランダ映画「孤独のススメ」。

 オランダの田舎町。妻を亡くし、息子とは音信不通、孤独に単調な毎日を送る男。そんな男の前に、ある日、言葉も過去も持たない男が現れる。帰そうにも家もわからず、やむなく始まった男2人の奇妙な共同生活。次第に、2人の間には友情が芽生えはじめる。

 周囲の冷たい視線にさらされながらも、孤独な中年の男が何も持たない男から本当の幸せについて学んでいく。


■小さな“部屋”から脱出した親子の絆
 2本目は主演のブリー・ラーソンさんがアカデミー主演女優賞に輝いた映画「ルーム」。男に誘拐され、7年もの間“部屋”に監禁された若い女性と、外の世界を知らぬまま育った5歳の息子。

 ある日、2人は男をだまし、小さな“部屋”から脱出。しかし、広すぎる“世界”で、様々な問題にぶつかる。過去を捨て、新たな人生を歩み始めた、母と息子の絆を描いた物語だ。


■1通の手紙がキッカケで立つ「さざなみ」
 3本目は、長年連れ添った夫婦の姿を描いたイギリス映画「さざなみ」。結婚45周年を控えた、おしどり夫婦。しかし、1通の手紙がキッカケで夫婦の間にさざなみが立っていく。

 スイスの山で遭難した夫のかつての恋人。その遺体が氷の中から発見されたとの知らせが。過去の恋愛の記憶に浸る夫と、その過去の女性に嫉妬心を募らせていく妻。男女の恋愛観、結婚観の溝を描いた人間ドラマだ。


■孤独に負けない勇気
 人は1人では生きていけない。でも、孤独は悲劇ではない。孤独でいられないことが悲劇なのだ。孤独を通じて、自分を確立していく。その中で、人と人の関係は豊かに広がっていく。孤独である自分を、勇気をもって受け入れることが大事だ。

 今回紹介した3本の映画から「孤独に負けない勇気」の大切さを感じることができると思う。