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相次ぐ地震 “私たちにできること”

2016年4月19日 15:56
相次ぐ地震 “私たちにできること”

 熊本県などで発生した一連の地震では、多くの家屋などが倒壊したが、歴史的な建物も大きな被害を受けた。私たちにできることは何かないものだろうか。日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。


■歴史的建築物が被害に…
 年間、約200万人の観光客が訪れる熊本のシンボル・熊本城。地震後、天守閣の瓦の多くがはがれ落ち、屋根がむき出しの状態となっている。そして、屋根の上にあった、シャチホコも無くなってしまった。また、桜の名所としても知られる阿蘇神社では、神社の入り口に建っていた高さ約20メートルある楼門が倒壊。この楼門は、日本三大楼門の一つに数えられ、国の重要文化財にもなっていた。


■伝えたい5つの情報
 大きな被害を出した熊本での一連の地震。私たちにできることは何か、そして行動に移す際に気をつけることは何かを一緒に考えていく。まず、現地の方たちは、度重なる地震で情報収集もままならないだろう。役に立つ情報を親戚、友人に伝えるというのも大切だ。

 1.道路があちらこちらで通行止めになっているが、トヨタ自動車とホンダは、地震の影響を受けた地域で、直近数時間の道路の通行実績をインターネット上で1時間ごとに更新して、“通れる道路はどこか”を情報提供している。

 2.NTT西日本は、熊本県と大分県全域で公衆電話を無料で利用できるようにしている。またNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯3社は、九州地方全域でWi-Fiスポットの無料開放を行っている。ネットワーク名は、0が5つの“00000JAPAN”だ。

 3.いわゆる民泊を仲介するサイトを運営する「Airbnb」は、被災した地域の近くにある空室を被災者に無料で提供する取り組みをそれぞれの家主に呼びかけ、これまでに九州エリアで、101部屋が無料で宿泊できるとして公開された。期間限定のサービスで被災者はインターネット上で予約手続きをすれば、無料で泊まれるということだ。

 4.国交省も、熊本県内の旅館やホテルで高齢者や障害者といった特別な配慮が必要な被災者などに対して、無料で宿泊できる体制を準備していて、熊本県内では約1500人が受け入れ可能だということだ。こちらは各避難所の自治体担当者に問い合わせる必要がある。

 5.日本郵便や肥後銀行など多くの銀行では、印鑑などを無くした場合でも、本人と確認できれば預貯金などの預け入れや引き出しが可能ということだ。

 こうした情報を提供する際には、間違った情報を送っては、かえって現地が混乱するだけなので、信頼できる情報かどうか、最新の情報かどうかをしっかり確かめた上で、伝えるように気をつけなければならない。


■ボランティアは自粛要請
 情報提供のほかに「現地にボランティアに入りたい」という人も多いと思うが、熊本県社会福祉協議会は、現時点での災害ボランティアの自粛を呼びかけている。いま、被災地では、“人命救助”を最優先に救援活動をしているからだ。現地の力になりたいという気持ちが、かえって迷惑になってはいけない。

 社会福祉協議会では、公式サイトでボランティア受付などについて、被災地の役所やボランティアセンターなどに安易に電話やメールで問い合わせることも控えるよう求めている。これは被災者からの救助を求める電話がかかりにくくなったり、メールの回答に時間や手間がかかり、かえって迷惑になるからだと説明している。ボランティアを受け入れられる状況になったら公式サイトで周知するとしているので、それを注意して見ておくのがよいだろう。


■支援物資の配送に注意
 また、モノを送る際にも注意が必要だ。熊本県に聞いたところ、「今はほとんどの宅配事業者が県内への配送受付を中止しているため、支援物資の受け付けは見合わせている。ただ、被災地以外の自治体で、支援物資を受け入れている場合もあり、その場合は独自の輸送手段で送られるので、お住まいの自治体にも確認してほしい」ということだ。

 日本防災士会の橋本茂さんによると、現時点で個人で物資を送ることは避けた方がいいとしている。ただ、お住まいの自治体で被災地への物資を募集している場合、送るモノについては、開封するまでに時間がかかることがあるため基本的に食品は避け、新品の下着や肌着などが良い、と話している。また、必要なモノは時間経過によって変わるので、できればお金の方が望ましいということだ。


■義援金の受け付けは?
 日本赤十字社では、被災者を支援するための義援金を、6月30日まで受け付けている。また、日本テレビの24時間テレビでは、“平成28年熊本地震”の緊急募金を受け付けていて、ゆうちょ銀行、三井住友銀行から募金することができる。詳しくは24時間テレビのホームページで。


※24時間テレビのホームページ
http://www.24hourtv.or.jp/report/2016/0415.html

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