薬物犯罪の受刑者らを刑の途中で刑務所から出所させ、社会の中での立ち直りを促す「刑の一部執行猶予制度」が１日から始まった。

　「刑の一部執行猶予」制度は、薬物使用者や初めて刑務所に入る人が、３年以下の実刑判決を受ける場合が対象となる。刑の一部を服役したら刑務所から出所させ、残りの期間は社会の中での立ち直りを促す。

　例えば、「懲役２年、そのうち１年間の執行を３年間猶予する」という判決の場合、１年間の服役で出所し、その後３年間、罪を犯さなければ残りの１年は服役せずに済む。これまでは全てを実刑とするか、執行猶予とするかしか選択肢がなかった。

　一部執行猶予の期間中は保護観察が付くことが多く、早期の社会復帰と同時に出所後の見守り期間を長くして再犯を防ぐ狙いがある。