あせもに皮膚炎…夏の肌トラブル対策法伝授
キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。28日のテーマは「夏の肌トラブル」。諏訪中央病院・鎌田實名誉院長が解説する。
■子どもだけでない「あせも」に悩む人
夏の肌の悩みを街で聞くと、子どものあせもに悩む母親が多かった。しかし、大人になっても、あせもで悩む人は多い。ロート製薬の調べによると、「大人になってからあせもになったか?」という質問に対し、51.6%の人が「経験あり」と回答している。
■あせもの原因は?
あせもは、たくさんの汗をかいた時など汗がうまく排出されず、皮膚の中にたまってしまうことが原因で、湿疹ができる。ただ、あせもと一言で言っても、症状の軽いものから重いのものまでいろいろある。
一番軽い症状は「白あせも」。かゆみはなく、ほとんどが放っておけば治る。
次に症状が重いのは「赤あせも」。白あせもと違ってかゆみが出てかくと広がり、かきむしると細菌に感染しやすくなる。中でも黄色ブドウ球菌に感染し、水ぶくれなどができると「とびひ」になりやすくなる。とびひは感染症で他人にうつしてしまう。
こうならないためにも、あせもは十分薬が効く病気なので早い段階で病院に行き、正しい治療を受けることが大切だ。
■あせもにならないためには?
神奈川県立こども医療センター・馬場直子医師によると、まず「汗をしっかりふきとること」。ただ、ゴシゴシこするのはダメで、ぬれたタオルで肌を押さえるようにふいて汗をぬぐいとることだ。
次に「着替え」。特に子供は汗をかいたら着替えをさせて汗をとること。大人も仕事で汗をかいたなと思ったら、肌着を取り換える習慣をつけるとよい。
「袖のある服を着る」のも有効だ。袖のある服を着たほうが汗を吸収し、蒸発させることができるので、あせも対策には効果的だ。
■日光による皮膚炎にも注意を
日差しが強いこの季節は、日光による皮膚炎に注意が必要だ。日光に多くあたることで肌があれてしまう病気で、誰もがなる可能性がある。症状は様々で、湿疹やかゆみ、日光じんましんが出ることもある。対策をしないと、水ぶくれになってしまうこともある。
日光による皮膚炎は、日光にあたりすぎたことで症状が出る人もいるし、元々、日光に弱いアレルギーの可能性もある。症状に気づいたら早めに病院に行くのがよいだろう。
■日光による皮膚炎対策は?
関西医科大学総合医療センター・清原隆宏医師によると、日焼け対策を十分にすることが大切だ。帽子や日傘で日よけをするほか、日焼け止めクリームを活用するのもいいだろう。それでも日光に多く当たってしまったら、保冷剤をタオルで巻いたもので肌を冷やしてあげると効果的だ。
■太陽に上手にあたる。
「汗をかくから」「日差しが強いから」といって、外に出るのを怖がりすぎてはいけない。日光は体内でビタミンDを作るのを助ける。ビタミンDは丈夫な骨を維持するのに重要だ。暑い夏、肌を守るための対策をしっかりした上で、外で過ごす時間も大切にしよう。