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原発事故で認知症患者失踪 東電に賠償命令

2016年8月10日 18:58

 福島第一原発近くの双葉病院に入院していた認知症患者の遺族が、原発事故で行方不明になったとして東京電力を訴えていた裁判で、東京地裁は「事故がなければ失踪は防げた」として東電側に約2200万円の支払いを命じた。

 この裁判は福島第一原発の近くにある双葉病院に入院していた当時88歳の認知症患者の女性の遺族が東京電力を訴えていたもの。認知症患者の女性は原発事故後、救助を待つ間に行方が分からなくなり「失踪宣告」を受け、法律上は死亡したものとみなされている。

 これまでの裁判で東京電力側は「女性が行方不明になったのは原発事故ではなく、地震による停電や見守り体制の不備が原因だ」などと主張していた。10日の判決で東京地裁は「原発事故がなければ病院から職員が避難することはなく、女性の外出を防ぐことができた」として東電側に約2200万円の支払いを命じた。

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