翁長知事「今後も手段尽くして移設に反対」
沖縄のアメリカ軍普天間基地の辺野古への移設をめぐり、国が沖縄県を訴えた裁判で、福岡高裁那覇支部は、国側勝訴の判決を言い渡した。
16日午後、福岡高裁那覇支部で言い渡された判決で、多見谷寿郎裁判長は、翁長知事による埋め立て承認取り消し処分そのものが違法であり、それを放置した状態も違法だと認定した。
また、「普天間基地の被害を除去するには辺野古を埋め立てるしかなく、県全体としては基地負担が軽減される」と指摘し、国の主張を全面的に支持した。
16日夕方に記者会見した翁長知事は判決について、普天間基地の被害を除去するには辺野古が唯一との国の主張を追認するかのような内容だと厳しく批判し、沖縄県にとどまらず、日本の地方自治、民主主義のあり方に困難をもたらすのではないかと訴えた。
その上で翁長知事は、1週間以内に最高裁へ上告する考えを示している。今後、最高裁でも仮に沖縄県の敗訴となれば、埋め立て承認の取り消し処分を放置した状態が違法だと確定する。
翁長知事も「確定判決には従う」としているので、埋め立て承認の取り消し処分を取り消し、県が埋め立てを認めた状態に戻ることが考えられる。
しかし、16日の会見で翁長知事も「今後もあらゆる手段を尽くして移設に反対する」と述べており、翁長知事はさまざまな権限を使い抵抗するとみられる。さらに、国が辺野古の工事を進める際には、工事の設計変更の手続きなどで、翁長知事に対し何度も新たな承認や許可を求める局面が予想され、辺野古移設は依然、スムーズに進むとは言えない状況。