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「埋め立て承認の取り消しは違法」国側勝訴

2016年9月16日 17:54
「埋め立て承認の取り消しは違法」国側勝訴

 沖縄のアメリカ軍普天間基地の辺野古への移設をめぐり、国が沖縄県を訴えた裁判で、福岡高裁那覇支部は国側勝訴の判決を言い渡した。

 16日午後、福岡高裁那覇支部で言い渡された判決で、多見谷寿郎裁判長は、翁長知事による埋め立て承認取り消し処分そのものが違法であり、それを放置した状態も違法だと認定した。また、「普天間基地の被害を除去するには辺野古を埋め立てるしかなく、県全体としては基地負担が軽減される」と指摘し、国の主張を全面的に支持した。

 沖縄県にとって最初の司法判断で敗訴したことは大きな打撃だが、翁長知事は最高裁に上告すると述べた。最高裁でも仮に沖縄県の敗訴となれば、埋め立て承認の取り消し処分を放置した状態が違法だと確定するが、実際に知事が処分を取り消すかどうかは不透明。

 国がどうしても埋め立て承認の効力を回復したい場合、改めて県を相手に、今回の訴訟とは別の代執行訴訟を起こす必要がある。そして今後、国が辺野古の工事を進める際には、工事の設計変更などで、何度も沖縄県知事の新たな承認や許可を必要とする局面も予想される。

 県民の辺野古移設への反発が強い中、翁長知事は「あらゆる権限を駆使して阻止する」との姿勢を崩さないとみられ、辺野古移設は依然、スムーズに進む状況とは言えない状況。