都議会VS小池知事「聞こえない」のヤジも
小池知事は、東京都議会の代表質問で初めての論戦に臨んだ。豊洲市場やオリンピック会場の見直しなど、東京都が抱える問題についてどのような答弁をしたのだろうか。
■4日、選挙戦でイメージカラーにしていた緑の服で登庁した小池知事。この日、初めて論戦の場となる代表質問に臨んだ。都民の関心も高く、多くの人が傍聴に訪れていた。
■都民ら「(都議会と)衝突してほしくないですね。私たち都民のためにお互い団結してというか、手をとりあって良い都政を築いていただきたいと思っています(50代)」「豊洲とオリンピックの関係ですね。どちらもいろいろ問題ありそうなので、ぜひとも都民に納得いくようなすっきりした解決をしてほしい(70代)」
■選挙戦で対決姿勢を見せていた都議会との初めての論戦の場となる代表質問。最初の質問には都知事選で小池知事の対立候補を支援した都議会自民党が立った。
■都議会自民党・高木啓幹事長「知事は所信表明の中で、東京の現状を“肥満都市東京”と表現された。これはどのような認識に基づく比喩なのか。私たちにはいまひとつ、よくわかりません。説明をお願いしたい」
■小池知事「東京を預かる私たちは100年先を見据えて働いているのでしょうか」「東京の持続的な発展への熱い思いが、豊かな税収を背景に見えなくなっていないか、その戒めとして表現しました」
■次に高木氏は、小池知事が選挙中に「いつも誰がどこで何を決めているかとわからないようなブラックボックスがあって」と発言したことについて問いただした。
■高木幹事長「知事が指摘した都議会のブラックボックスはどのようなもので、どこにあるのか、解明はされたのか見解を問います」
■小池知事「日本流の根回しをはじめ、日本の政治風土においては往々にして主権者の目が届かないところで、ある種の力学が働きがちです。そのため、一般の都民の目線では、見えづらいところもままあるということを表現したものです」
■高木幹事長「知事は8月31日、築地市場の豊洲に関して、選挙中からの発言通り、記者会見で移転延期を表明しました。都政の重要な政策が、都民の代表機関である都議会に報告される前に記者会見に供されることを私たちは“議会軽視”を呼ぶ」「知事は今後、都議会との関係をどのように作っていくつもりなのか、所見を伺います」
■小池知事「食の安全・安心という点からの重要性に鑑みまして、再度検証しておきたい。その思いで判断したものです」「今後、都議会で様々な観点からご議論いただくものと認識しておりまして、議会軽視とは考えておりません」
■小池知事の答弁中、都議会のドンと呼ばれた内田茂都議は目をつむっているように見えた。知事の答弁に納得できなかったのか高木氏は答弁終了後、豊洲市場について再質問を行った。
■高木幹事長「知事はどのような状況になれば、豊洲新市場の安全性が担保されると考えるのか。そして移転が可能になると考えるのか、所見を伺います」
■小池知事「いろいろな数字が飛び交って、そしてどれが本当に正しいかという観点から、先ほど、大変有意義なご指摘もあったかと―」
■この時、「聞こえない」というヤジが飛んだ。
■小池知事「聞こえない?どこで(ボリュームを)上げるんでしょうか。じゃあ大きい声で話せばいいんですね」「移転にあたって安全性を科学的にかつ、安心していただけるように、わかりやすく市場関係者や都民に説明し、理解していただくことが一番大切」
■続いて質問に立った都議会公明党は、豊洲市場の問題や2020年東京オリンピック・パラリンピックなどについて追及。
■都議会公明党・東村邦浩都議「これまで積み上げた計画を抜本的に見直す手法は、現時点で最良と言えるのでしょうか」「この見直しをする場合、関係機関や他県との協議、既存施設の改修などの可能性を検討及び決定するには、多大な時間が必要です。2020年の開催に間に合うのでしょうか」
■小池知事「出された報告は本部長として重く受け止めなければならない一方で、相手があることです。そしてこれまで関係者がいろいろと努力してきた中で今の計画があるということも踏まえて、総合的に検討していきたいと考えています。検討にあたっては大会準備を開催に間に合わせなければならないことはもちろんですが、組織委員会など関係者の協力も得ながら、早急に検討、そして答えを出していきたい」
※代表質問は午後8時まで続く予定(この内容は、午後6時に放送されたものです)