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世界初 理研、iPS細胞で目の機能回復

2017年1月11日 13:36
世界初 理研、iPS細胞で目の機能回復

 iPS細胞から作った網膜の組織を失明したマウスに移植し、目の機能を回復させることに世界で初めて成功したと理化学研究所が発表した。今後、ヒトへの応用にも期待が高まる。

 理化学研究所の研究グループは、病気で目が見えなくなったマウスにiPS細胞から作った網膜の組織を移植し、その効果を検証した。実験では、部屋の中に光をあてショックを流す装置に、失明したマウスと網膜を移植したマウスを置いた。その結果、移植したマウスの約4割は光を再び感じて装置から逃げるようになり、移植していないマウスは光と関係なく移動し、1匹も反応しなかったという。

 iPS細胞から作った網膜の組織によって目の機能の回復が確認されたのは、今回が世界で初めて。網膜は再生力が低く、一度損傷すると治癒が難しいとされている。研究グループは今後2年以内にヒトに応用した臨床研究を進める方針。