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豊洲・地下水 環境基準100倍のベンゼン

2017年3月19日 16:07
豊洲・地下水 環境基準100倍のベンゼン

 東京の豊洲市場の地下水モニタリング再調査で、最大で環境基準の100倍にのぼるベンゼンなどの有害物質が検出されたことが、19日に行われている都の専門家会議で明らかにされた。

 豊洲市場の地下水モニタリングでは、今年1月に公表された9回目の結果で、最大で環境基準の79倍のベンゼンなどが複数箇所で検出されたが、8回目までに比べ急激に数値が上昇したことから、再調査が行われていた。

 19日昼過ぎから始まった東京都の専門家会議で、この再調査の結果が公表され、最大で環境基準の100倍のベンゼン、検出されてはいけないシアン、環境基準の3.6倍のヒ素の3種類の有害物質が検出されたことが明らかにされた。このため、高い数値が出ていた前回9回目の結果は妥当と判断されるという。

 なぜ数値が急激に上がったかについては、去年9月から稼働した「地下水管理システム」の影響で、土壌に一部残されていた汚染物質が移動し、地下水に溶け出したことなどが考えられるとしている。

 この結果を踏まえて、専門家会議では豊洲市場の安全性について議論している。平田座長はこれまで「地上への問題は生じない」との認識を示しているが、市場関係者から「安心できない」との声が出るのは必至で、小池知事の移転判断は一層難しいものになる。