20代「未婚、恋人ナシ」は男性7割、女性5割……政府が白書を公表 「趣味があれば十分」「今自分の時間でいいかな」
内閣府が14日公表した今年の「男女共同参画白書」では、現代ならではの価値観が浮き彫りになりました。デート経験がゼロという独身の20代男性は約40%で、結婚の意思がないのは30代男女で25%以上。既婚者の約15%は「離婚の可能性あり」でした。
■出会いを求めて…「恋活」イベント
14日夜、東京・渋谷の飲食店で、アラサー限定の「恋活イベント」が開かれていました。
「今のお仕事は新卒からずっとやっているんですか?」
「今3社目です」
「今までは何をやっていたんですか?」
「ホテルマンとヨガのインストラクター」
「すごい!」
恋人を見つける「恋活」で、お酒も飲みながら話が弾んでいました。
参加者からは「ちょっと出会いを求めて」「新しい方と出会って、この場を楽しみたいなという気持ちで来ました」という声が聞かれました。
■「男女共同参画白書」にみる価値観
内閣府は14日、今年の「男女共同参画白書」を公表しました。家族の姿の変化や、多様化に対応した制度設計などが求められている中、今の時代ならではの結婚の価値観が浮き彫りになりました。
配偶者や恋人について、「未婚で、いない」と答えた20代の女性は約5割、男性は7割近くでした。
そもそも、これまでにデートした人数が「ゼロ」だと答えた独身の20代女性は約25%で、20代男性は約40%でした。30代でもそれぞれ約20%、約35%に上りました。
■都内の若者に聞く…「恋人は?」
都内で若者に聞きました。
大学生(18)
「(独身の20代男性の40%がデート未経験というデータに)そんなに驚かない。1人で生きていくことが好きな人が周りにいるので。パートナーを見つけることがそんなに重要視されていない時代なのかなと」
デート経験のない大学生の男性(20)
「(デートは)興味がないって言えばないですし、車関係の趣味もあるので、そういうのは自分は遠いかなって。趣味があれば十分っていうのは思いますね」
デートは指で数えるほどという、専門学生(18)の3人組は「(恋人は)誰もいないです」と口をそろえました。理想のデートプランは「ドライブ、ドライブ!」「海とか行きたいです!」と声を弾ませました。
恋人がおらず、デート経験約5人という専門学生(21)は「(恋人)欲しいは欲しいんですけど、今自分の時間でいいかなっていうので、あんまり(恋人)つくらなくていいやって気持ちの方がでかいです」と話しました。
今回の調査では、あくまでデートの定義はなく、その人がデートだと思うかという主観に基づいています。
■「結婚願望なし」は30代で25%超
調査で結婚願望についても聞いたところ、「結婚の意思なし」と回答した20代は女性で14%、男性で19.3%と、ともに10%台でした。30代では女性が25.4%、男性が26.5%と、ともに4人に1人に上っています。
大学生(20)
「(結婚願望は)私はないです。結婚しなくても、一緒にいたい人と形がなくても一緒にいられればいいなって思います」
会社員(20代)
「結婚はしたいです。子どもがほしい。1人で死にたくはない」
■増加する離婚相談…現場は?
14日、東京・千代田区にある、夫婦関係の相談などに応じている「家族のためのADRセンター」を訪ねました。
カウンセラーが30代の女性からの相談を受け、「初めてですか? 離婚っていうワード出したのは」「どうしてこの人と離婚したいと思ったかというところ…」とパソコンの画面越しに話していました。こうした離婚相談はここ数年、増えているといいます。
男女共同参画白書でも、近年の離婚件数は婚姻件数の約3分の1で推移しています。さらに、結婚している男女ともに約15%が将来、「離婚の可能性あり」と回答しました。
同センターの小泉道子代表
「離婚が選択しやすくなってきた。タブー視されなくなったという感じが一番近いかもしれないですね。もっと自分らしく生きるためにとか、子どもを含めて笑顔で過ごせるようになる、今よりも良くなるために離婚をするという方がおられますね」
■離婚した女性「子どものためにも」
今年3月に離婚した40代の女性に聞きました。
「以前から(夫との)性格の不一致は自分の中でも感じていたんですが、もう私の中では限界と思って。私が元気でいて笑っていた方が子どもにとってもためになるんじゃないかと。(離婚して)自分の精神的なところが楽になったのが一番じゃないかなとは思います」
離婚を決意したのは、看護師としての収入があったからだけではありませんでした。女性は「養育費も国の算定の中でもらっていますし、充実した国の保障もあるのですごく助かります」と話しました。
(6月14日『news zero』より)