阿蘇神社で「火振り神事」 夜の闇照らし
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熊本県阿蘇市の阿蘇神社で17日夜、伝統の「火振り神事」が行われ、熊本地震で被災した神社を炎の輪が照らした。
火振り神事は、阿蘇神社の農業の神・国竜神の婚礼を祝い、氏子らが松明(たいまつ)をつけて姫神を迎えたという言い伝えに習って行われるもので、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
17日午後7時に姫神のご神体が到着すると、氏子たちは火をつけたカヤの束を振り回し出迎えた。一方、拝殿では婚礼の儀式が厳かに行われ、儀式が終わると観光客も次々とカヤの束を振り回した。夜の闇に幾重もの炎の輪が浮かびあがり、熊本地震からの復興をめざす阿蘇神社を照らした。
この祭りが終わると、阿蘇地方にも本格的な春が訪れる。