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“非正規待遇格差”個別考慮すべき~最高裁

2018年6月1日 22:05
“非正規待遇格差”個別考慮すべき~最高裁

正社員と非正規社員の待遇の格差が違法かどうかが争われた2件の上告審で、最高裁は1日、違法かどうかの判断は、手当などの賃金項目の内容を個別に考慮して行うべきだとする、初めての判断を示した。

2件の裁判は、非正規社員が、正社員と同じ仕事をしているにもかかわらず、賃金や手当に差があるのは労働契約法20条で禁じる「不合理な格差」にあたるとして、正社員と同額の支払いを求めているもの。

1日の判決で最高裁は、「不合理な格差」にあたるかどうかは、賃金の総額のみで判断するのではなく、手当などの賃金項目の内容を個別に考慮して判断するべきだとする、初めての判断を示した。

今回、判決が言い渡された2件のうち1件では、皆勤手当や通勤手当などの格差は、職務内容に差がないことから不合理だとする一方、住宅手当については、正社員は転居を伴う異動があるため不合理にはあたらない、と判断した。

もう1件の裁判では、定年後の再雇用で格差が生じること自体は不合理ではないとする一方、休日以外に休むことなく出勤した場合に支払われる「精勤手当」を支給しないのは不合理だとした。