【全文】佳子さま手話による挨拶 「第41回全国高校生によるスピーチコンテスト」
秋篠宮家の二女・佳子さまは18日、都内で行われた「第41回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席し、手話で挨拶をされました。
全日本ろうあ連盟の非常勤嘱託職員である佳子さまは、手話は声と同時に行うものという印象を与えないため、声を出さずに手話のみでスピーチされました。全文で紹介します。
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本日、「第41回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」が開催され、皆様とお会いできましたことを、たいへん嬉しく思います。この後は、手話通訳の方に、読み取り通訳をお願いします。どうぞよろしくお願いいたします。
「手話スピーチコンテスト」は、長年にわたり、手話を勉強する若い人達の励みになるとともに、手話への関心を高める上で、大きな役割を果たしてきました。これまでに出場された方々が、その後、手話を磨き続け、様々な分野で活躍していらっしゃることを伺い、開催の意義を感じています。
この後は、高校生の皆様がスピーチを行います。皆様は、自分の経験や思いを振り返り、考えをまとめ、伝えるために、色々と悩み、工夫をしながら準備をしてこられたことと思います。皆様がこれまで積み重ねてきた練習の成果を存分に発揮できるよう、応援しています。また、このコンテストで初めて出会った他の出場者との交流を深めることも楽しい時間になることでしょう。
来年の11月には、東京都、福島県、静岡県で、「東京 2025デフリンピック」が開催されます。「デフリンピック」は、きこえない選手、きこえにくい選手が出場する、4年に一度のスポーツの世界大会です。皆様も、色々な競技を観戦したり、ボランティアとして参加したりする機会があるかもしれません。そのような機会が、世界で使われている様々な手話や国際手話、多様なコミュニケーション、多様な文化に触れることや、新しい出会いに繋がったら素敵だと思います。
近年、各地で自然災害が起こっていますが、災害が起こった際、きこえない人、きこえにくい人は、情報の取得やコミュニケーションの困難が普段よりも更に顕著になると伺っています。このような現状を改善するために、関係する方々が努力を続けていらっしゃいます。例えば、今年の1月に能登半島で起きた地震では、被災したろうの方が、手話による情報提供や会話で安心できたことがあったと伺いました。災害時に、きこえない人、きこえにくい人を含む全ての人に対し、必要な情報や必要な支援が行き渡るとともに、現在、災害により苦しい思いをされているすべての方々の状況が良くなることを心から願っています。
本コンテストや、様々な取組を通して、手話を含む様々な言語、きこえないこと、きこえにくいこと、自分とは異なる背景や状況に対する理解が深まることを願っています。そして、このような理解の深まりにより、誰もが安心して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、そしてこれらがあたりまえになることを強く願っています。
終わりに、長年にわたり「手話スピーチコンテスト」のために力を尽くしてこられた方々に敬意を表しますとともに、本日のコンテストが皆様にとって大切な思い出となることを願い、私の挨拶といたします。ありがとうございました。