各地で広がる“学校朝食”学力向上も関係!
学校で食事をしている子どもたち。ところが、これは昼食ではなく「朝食」。今こうした、学校で朝食を提供する取り組みが各地で広がりをみせている。その狙いには“学力アップ”も関係しているという。
19日朝、まだ日も昇る前の大阪市内の小学校では、急ピッチで食事の支度が進められていた。給食を作るには早すぎる気もするが…実は作られていたのは「朝食」。
大阪市立西淡路小学校では2年前から毎週月、水、金曜日に地域のボランティアが子どもたちに朝食を作っている。そして午前7時半過ぎ、朝食を食べに児童が登校してきた。
19日のメニューは、きつねうどんにパイナップルと乳酸菌飲料。おいしそうにうどんをほおばる児童たち。
Q「おうちで食べる朝ごはんとここで食べる朝ごはんどっちが好き?」
小学5年生「こっち」「遅刻しないから」「テンションが上がる」「友達がいるから一緒に行きたいなと思って」
友達と一緒に食べる朝食が楽しみな時間だという。
こうした朝食は60歳代~80歳代のボランティアが交代で調理を担当。1食の費用は200円ほどだが、大阪市の補助金があるため自己負担は50円だという。
なぜ小学校で朝食を提供するようになったのだろうか?
大阪市立西淡路小学校・福永雅士校長「朝ごはんを食べて来ない子が多い実態がありました。どうしても共働きのお父さんお母さんが多くなっているという中で、なかなか朝ごはんに時間がかけられない」
文部科学省の調査によると、朝食を毎日食べている小学生は年々減少。一方、朝食を全く食べていない小学生は増加傾向にある。
しかし、朝食を抜くことで悪影響もある。2018年度の全国学力調査では、朝食を毎日食べている生徒と全く食べていない生徒では、「国語A」「算数A」ともに、15%以上も正答率に差が出ていた。
大阪市立西淡路小学校・福永雅士校長「朝ごはんをしっかり食べてくることで、集中力の持続ができるのが大きいのではないかなと」
朝食を提供して以降、遅刻が減り、授業に集中する児童も増えたという。
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朝食を食べることによって学力向上をはかろうとする動きは、別の小学校でもある。広島県廿日市市の小学校では今月から、希望するすべての児童に朝食を無償で提供する事業を開始した。
小学2年生「おいしい朝ごはん食べたから勉強もがんばれそう」
都道府県がこうした取り組みを行うのは全国で初めてだということで、広島県は、仕組みや成果などを検証しながら県内全域に広めたい考え。
おなかも心も満たされる小学生の朝食改革。今後、全国の小学校で広がりをみせそうだ。