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宇宙から小型カプセル帰還 日本の技術進歩

2018年12月7日 15:59
宇宙から小型カプセル帰還 日本の技術進歩

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「宇宙から小型カプセル帰還」。日本テレビ社会部・岩田明彦記者に話を聞いた。

先月、ISS(=国際宇宙ステーション)から日本初となる小型回収カプセルが無事、地球に帰還した。これまでアメリカとロシアしか持っていなかった技術を日本も獲得に成功したことにより、今後、日本の宇宙開発にとって大きな1歩となる。


――岩田さんこれはどのくらいすごいことなのでしょうか。フリップをお願いします。

「日本も有人宇宙飛行へ」です。

日本はまだ独自の有人宇宙飛行をするという計画はないのですが、それにつながる技術の獲得に成功したといえると思います。

地球に帰還したカプセルは、直径84センチ、高さ66センチと比較的小さなものです。このカプセルを宇宙から、地球に帰還させるミッションだったわけです。


――こんなに小さなカプセルで燃え尽きるという危険性はなかったのですか。

所々、少しこげていますが燃え尽きなかった、そこがすごいところです。

JAXAから借りてきた小型カプセルの模型があるのですが、様々な技術が取り入れられていて燃え尽きなかったんです。大気圏へ再突入する時は最高2000℃と高温となりますが、カプセルは燃え尽きず、さらに内部には小さなカプセルがあるんです。

この中に、宇宙で採取してきた新薬の開発につながるタンパク質の試料が入っていたのですが、これがなんと4℃を保持したということです。帰還後も保冷剤はひんやりしていたといいます。

そしてさらにすごいのが、宇宙から帰ってくるときに普通に落ちてくると、ものすごいスピードになってくるんですが、この小型カプセルには小さな噴射口があり、ここから噴射することによって姿勢を変えながら飛行機のようにふんわりと揚力飛行することで地球に落ちてくるときの衝撃とスピードを緩めたんです。これが有人宇宙飛行には欠かせない技術です。

さらに宇宙から日本近海にピンポイントに着水させたこともすごいんです。国際宇宙ステーションは地球の周りを時速約2万8000キロというスピードで回ってます。そこから放出したカプセルを日本の近海にほぼ想定通り着水させた。これも驚くべきコントロール技術です。

日本にはいまのところ有人宇宙飛行の計画はありませんが、それにつなげることができる大ニュースだったと思います。

【the SOCIAL opinionsより】