乳がんの経験を生かし下着をプロデュース
乳がんの経験を生かし負担の少ない下着をプロデュースする女性がいる。製作現場に密着した。
谷藤幹枝さん(49)は、ナレーターやモデルなど表現する仕事に携わり、いまは司会業なども手掛けている。
乳がんが見つかったのは2年前、去年、左胸を全て切除した。しかしその1年後、骨への転移が見つかり左胸を再建する手術は見送った。
そのころ始めたのが、乳がんの経験を生かした下着のプロデュースだ。試作品の打ち合わせに訪れたのはガーゼのブランド。
谷藤さん「この接着テープが痛くてしょうがないんですよね」
ガーゼブランドの担当者「このテープが痛いんじゃないですか」
谷藤さん「そうなんですよ。ありとあらゆるところが当たると痛くて」
締めつけのある下着ではなく、傷口を刺激しないやさしいガーゼ生地を採用している。放射線治療で肌が荒れてしまうため、肌触りも大切な要素だ。
この日、谷藤さんの元に新たな試作品が送られてきた。
谷藤さん「なんか非常に製品っぽくなってきたという感じがしますね」
下着はベストのようなタイプで、着たままでMRIとCTスキャンを受けることができる。
モニターの1人からはうれしいメールが届いた。
「素晴らしい!このようにベビー下着のように縫い目が傷に当たらないように縫われて」
重い病気を抱えながら、手探りで始めた下着のプロデュース。その思いは少しずつ形になろうとしている。
谷藤さん「乳がんの方だけじゃなく、介護の必要な方とかやっぱり動きがしづらいという方々、そういった方々に使っていただけるようにアプローチしていきたいですね」
【the SOCIAL lifeより】