悪臭の池で水質浄化作戦! 鍵はセラミック
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長崎県の大村湾や大村公園の池で進められている水質浄化作戦。水質を改善するための特殊なセラミックを使ったその取り組みに密着した。
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日本の歴史公園100選に選ばれている「大村公園」。春には国の天然記念物「オオムラザクラ」、夏前にはおよそ30万本の「ハナショウブ」が咲き誇り、年間およそ45万人が訪れている。
しかし―。
来園した人「すごいね、ドブがすごい。ヘドロの臭いが」
来園した人「ドブの臭いがしていました。もちろん、きれいな池になってほしいですけど…」
大村公園内にある「桜田の掘」。市の調査の結果、水質が「下水道並み」だったそうだ。そこで用意されたのは、赤、黒、灰色の石のようなある物体。池の水を全部抜いた後、筒を通して投入していく。
大村市・園田市長「自浄作用を復活させるような、セラミックをまくことで水質浄化が図れる」
水質改善を目指し投入された特殊なセラミック。その量、およそ1.4トン。「桜田の堀」に加え「小池」にも。効果が出ることが期待されるのは春頃で、それまで定期的にデータをとっていく。
大村市・園田市長「きれいな水、多くの魚たちがいる池が、また復活してくれるといいなと思っています」
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この特殊なセラミックを開発したのが東京や熊本、福岡などに拠点を置くサンタミネラルだ。
サンタミネラル・太西るみ子社長「(大村公園は)汽水といって、海水と淡水が混じった特殊な堀。(水質が)改善できれば、日本にあるほとんどの同じような状態の所を簡単に浄化できることになります」
これまでに島根県益田市でも、ため池の水質浄化を実施。およそ5か月間で国の環境基準を下回る成果を出したそうだ。
このセラミックは、鉄や亜鉛など約100種類ある植物ミネラルから3種類程度を選んで、混ぜてつくる。その上で重要になるのが、ミネラル水のテラプロテクトだ。
サンタミネラル・太西るみ子社長「強アルカリあります。pH12。ミネラル水で通常pH12もあったら、指入れたら溶けます、化学物質であれば。でもこれ溶けませんし、飲めます。電気を起こしているのでpHが上がっています」
こうした技術に着目したのが東京大学農学部や長崎大学医学部だった。現在、共同研究を進めているそうだ。
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「大村公園」でセラミックを投入し、1か月が過ぎた。
「全然、臭いしなくなったよね」
「確かに。そうですね」
「ドブの臭いしてたのに」
初めてのデータの確認。市の職員も立ちあう。
ミネラル活性化技術研究所・古崎孝一代表理事「セラミックが入った分だけやっぱり(臭いの原因になる硫化物を)分解している」
また「小池」でも―。
ミネラル活性化技術研究所・古崎孝一代表理事「まったくヘドロの要素がないということが分かります」
大村市環境保全課・大久保哲郎課長「(水質は)今すごい最高の状態ですよね」
この特殊なセラミックを開発したサンタミネラルの太西るみ子社長は、「桜が咲く頃には水面に桜が映るくらいの浄化ができていればいいなと思います。この調子だと多分できているんじゃないかな」と話した。
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そしてこの日はもう1か所。ガラスの人口砂がまかれた大村市森園町の砂浜だ。太陽の光がキラキラと反射し「インスタ映え」スポットとしてSNS上で話題となったが、今、浜辺をおおっているのは打ち上げられたアオサだ。
サンタミネラル・太西るみ子社長「窒素と海のミネラル、栄養のバランスが壊れてしまっている」
そこで用意されたセラミックは、計480キロ。今回は、生活排水が原因の窒素化合物の分解を目指す。活動の幅が広がるサンタミネラル。
サンタミネラル・太西るみ子社長「窒素化合物が減れば、打ち上げられているアオサが激減していく。ここは人がたくさんいらっしゃるということなので、このアオサがなくなり、海がきれいになることが一番望まれるんじゃないですかね」
きれいな池・海の復活を、市民・観光客が待ちわびる。