「水鳥にパンをあげないで」生態系に影響も
「水鳥にパンをあげないでください」そんな書き込みがネット上で広がっている。人間の食べ物を水鳥にあげてはいけない、その理由を探った。
ハクチョウが見られるシーズンだが、エサやりはダメ。水鳥を苦しめる可能性があるのだ。
ハクチョウが飛来する湖や池の多くは、エサやりを控えるよう求めている。エサとしてよく与えてしまうのがパン。そもそも人間の食べ物は水鳥の体に合わないという。
宇部市ときわ動物園・宮下実園長「ハクチョウやカモ類は、本来のエサは水草の類、植物食が中心です。消化についてもだが(パンなどは)本来の食べ物ではないので体にとっては良くない。栄養のバランスが崩れる」
過剰な炭水化物・塩分・油が水鳥の健康を害してしまう。与えるのが水鳥に適したエサだとしても、一部に集まることで感染症が拡大する可能性も高くなるのだ。
中には自分からエサを探さなくなったり、本来、越冬しない場所に居ついてしまい寒波で死んでしまった事例もある。
まいたエサが水質に悪影響を及ぼすこともある。この池では大量のエサがまかれ続けた結果、水面に泥のようにものが浮かび、アオコも発生してしまった。エサやりによる水質悪化が水鳥だけでなく環境を害し他の生物にとっても悪影響となってしまう。
野生生物を守るには彼らの生態について深く知ることが重要だ。
【the SOCIAL natureより】