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86歳現役パン職人“さらに上”目指す哲学

2019年1月25日 13:24
86歳現役パン職人“さらに上”目指す哲学

86歳の竹内さんは現役のパン職人。49年間、毎日、謙虚にパンを焼き続けてきました。

「やっぱり昨日より今日やなと。昨日より今日のパンを…いいパンをこしらえる」

竹内さんは、神戸の老舗フロイン堂の2代目。毎朝仕込む生地は約40キログラム。ミキサーなどの機械を使わず、全て手で練り上げます。

「その日の温度、湿度」「その辺の兼ね合いが手でやると微妙に分かるんです」

パンを焼き上げるのは、先代から受け継いだレンガの窯。戦争での度重なる空襲や阪神・淡路大震災でも壊れなかったといいます。中の温度を約300度まで上げ、レンガの余熱で焼き上げる仕組み。生地を窯の中に並べ、待つこと約45分。こんがりと焼けたおいしいパンの出来上がり、と思いきや――

「残念ながら…いいパンじゃなかったですね。なんでですかね…」 

納得いく出来にならなかった原因を考える竹内さん。

「疑問を持たんようになったらあきませんわ。なんで今日のパンは良かったんやろうと、なんで失敗したんやろうと。なら明日はこうしてみようとか。毎日が素人や」

1日に焼く食パンは約60本。毎日、ほとんどが予約で売り切れる人気ぶりです。おいしいパンを作るために必要なものとは――

「やっぱり謙虚さでしょ。慢心しないことですね。明日も頑張るんでひとつよろしくと、パンにお願いして」「偉そうなこと言うて、申し訳ありません(笑)」


【the SOCIAL lifeより】

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