「家を持たない暮らし方」魅力とリスクは?
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「家を持たない暮らし方」。国内外の提携拠点が「住み放題」となるサービス「HafH」を手がける大瀬良亮氏に聞いた。
いま、「家を持たない」という新たなライフスタイルが注目されている。例えば、家を持たずにシェアハウスなどを転々としながら、多拠点生活をする「アドレスホッパー」。また、キャンピングカーなどバンで生活する人を表す「バンライファー」などが話題だ。
茨城県つくば市では3月、バンライファーたちが集結する「つくばVAN泊」も開催された。ネット上では「将来、こういう暮らしに興味がある」「現住所が言える状況が、やはり望ましい」「いろんな生き方があっていいと思う」などの声がある。
――大瀬良さんは「つくばVAN泊」を手がけたそうですが、この新たな暮らし方、いかがでしょうか。
『「おかえり」と言ってもらえる第2、第3のふるさとを見つける旅』と書きました。どこでも暮らせる、どこでも働けるといった時、行った先に知り合いがいないという状況はやはり寂しいと思うんです。行った先に「おかえり」と言ってくれる人がいると、またここに帰ってきたいなと思える…そういうのが大事なのかなと思います。
自由に選べる時代になった時に、「おかえり」と言ってもらえるコミュニティー、まさに第2、第3のふるさと――「Home away from Home」、これは「HafH」の本名になるのですが、まさにこれから、選んで自分のふるさとを、家族以外の場所をつくっていくというのも非常に大事なのかなと思っています。
――一方で、家を持たないことでのリスク、例えば住民税、現住所などはどうなるのでしょう。
みなさんは、まず第1のふるさとである「家族」「実家」を住所に置いているというのがあった上で、こういった選択肢を選んでいる人が多いんですね。ただ、税金の取り方はつくば市でもそうだったんですが、自治体が考えていくというきっかけにはなるかと思います。
――こういう生き方の人が増えているからこそ、行政のサポートなども必要になってきそうです。ただ1か所にとどまっていたら、見ることができない世界というのは確実に広がりそうですね。
そうですね。特に「バンライファー」なんかは、自分で家をつくる楽しさ、「DIY」もすごく楽しんでいて、そういった生活への憧れも少なくないのかなと思います。
――今まではコミュニティーを選べませんでしたが、今後は選んでいける時代になると。
そうですね。ご近所だけがコミュニティーじゃなくなっているということですね。
■大瀬良亮氏プロフィル
国内外の提携拠点が「住み放題」となるサービス「HafH」を手がける。コンセプトは「世界を、旅して、働く」。月額8万2000円を支払えば、日本・ベトナム・ケニアなど国内外で提携している、合わせて53の滞在施設に泊まることができる。大瀬良氏は仕事で海外を転々とする経験をしたことから、パソコンとネット環境があればどこでも仕事ができると実感、このサービスを立ち上げた。
【the SOCIAL opinionsより】