介護な必要なお年寄り向けの美容室が横浜市にある。髪を切ってオシャレになったおばあちゃんたちは、見た目だけでなく心も元気になっている。

おばあちゃんで毎日満席の美容室は無料で送迎付き。店内は歩きやすいように改装されていて、段差が一切ないバリアフリーだ。介護を必要とする客がメーンターゲットのこの美容室は“福祉美容室”と銘打ち、送迎込みでカット３３００円だ。

ここに１４年通い続けている９３歳の女性がいる。

客「大正１５年」

店員「大正、昭和、平成、令和！」

客「ハッハッハッハッ！本当だね！」

客「みなさんいい人だから気楽でね」

楽しい会話が尽きないのも通い続ける理由のひとつだ。

客「お迎えも来てくださるしね。私、やっぱり年だからバスで乗り換えたりめんどくさいでしょ」

店のある横浜市栄区は坂道が多く、送迎がないと美容室にも来づらいという。この日は色が落ちた髪の毛を染める予定だったが…

店員「でも、この色キレイですけどね」

客「染めん方がいいね」

店員「もう染めない方がいいと思います」

客「そうだね」

自然体の色を残しキレイに仕上がった。

客「キレイなおばあさんになれたかな」

美容室の代表・藤田巌さんは大手メーカーを退職後、美容師になった異色の経歴の持ち主だ。きっかけは、ある介護施設で目にした光景だった。

藤田さん「まずバリカンでバリバリとやったんですね。“施設カット”といってやむを得ないことなんですけど、私自身ショックでしたもので」

年を重ねても美しく元気でいてほしい、そんな思いからこの福祉美容室をオープンした。さらに店舗のみならず、自宅や施設への訪問美容室も行っている。

藤田さん「美容師側にとってみると、お客さんはこれからどんどん減っていきます。待っていては仕事になりませんので、こちらから出て行く。美容師側にとってもこれはプラスですから必ず成長する」

【ｔｈｅ　ＳＯＣＩＡＬ　ｔｒｅｎｄより】