いじめ防止対策推進法巡り 遺族らが意見書
いじめ防止対策推進法の改正をめぐり、議員団から示された案が変更されたとして、遺族らが反発し、19日に意見書を提出した。
「子どもの命よりも学校関係者、行政、教職員、そちらのほうが大事なのかと」
会見で、語気を強めて訴えた男性。8年前、滋賀・大津市で、いじめを苦に自殺した男子生徒の父親。2011年10月、中学2年生だった男子生徒は、自宅のマンションから飛び降り、亡くなった。学校側の“隠ぺい”ともとれる対応で、いじめの実態は、当初、公表されなかった。
この問題をきっかけに、学校や行政の責務を定めたのが「いじめ防止対策推進法」。この法律の施行から6年。我が子を失った遺族らは、今の法律のままでは、いじめなどが起きた際の調査結果が、被害者側に正しく提供されないケースが多いなどとして、今の国会での法改正に向けた、たたき台を超党派の国会議員らと作成した。
しかし、学校関係者から聞き取りを行った結果として、今月に入り議員団が遺族らに改めて示した案は、たたき台にあったいじめの調査は、被害者側の同意を必要とする条文が、罰則のある「義務」から「努力義務」に変更されるなど、遺族の思いとはかけ離れたものだった。
これに対し、遺族らは反発を強めていて、意見書を国会議員らに提出し、議員案の再検討を訴えている。
自殺した男子生徒の父親「子どもの命は後回しなのか。子どもの命を守れる法律ができてくるのか危惧しています」
暗礁に乗り上げた「いじめ防止対策推進法」の改正法案。議員団は、遺族の意見書を受け、改めて議論していきたいとしている。