“盗難”相次ぐ 出荷ピークの大玉スイカ
全国有数のスイカの生産地・熊本県。いま、大玉スイカの出荷がピークを迎えている。2玉でなんと5000円以上の高値で取引されることもあるこのスイカを巡り、生産者を悩ます事態がおきていた。
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トラックの荷台から次々と運ばれていくスイカ。日本でも有数のスイカの産地、熊本県熊本市にある選果場では出荷の最盛期を迎えていた。この日集まったスイカはおよそ2万4000玉。厳しい品質検査をくぐり抜けたものは「夢大地かもと」という“ブランドスイカ”として出荷される。
Lサイズ2玉で市場価格は5500円前後と高値で取引されるこのスイカ。甘くて後味がさっぱりしているのが特長だというが、いま、生産者が悩まされているのが、相次ぐスイカの盗難。
JA鹿本園芸部会長・荻生省蔵さん「今年に入ってからスイカ盗難事件がここ何件かきいているんですけど」
実際に被害にあった農家を訪ねた。
スイカ生産者・永井利友さん「おやじがスイカがないと言い出したので、もうびっくりしてですよ。まさかウソだろと言うしか。(ハウスに)入って見たらもう、ここにあるスイカがなかった。鳥肌がたったっていうか」
永井さんは今月19日の深夜、収穫直前のスイカ150玉以上を盗まれる被害にあった。犯人は、大きいもので1玉およそ7kgもあるスイカを大量に盗んだとみられる。
スイカ生産者・永井利友さん「その日は満月だったもんだから、見えるわけですよ、スイカ。明かりつけなくても、トラックとかの」
また、犯人が通り抜けするためにあけた穴だろうか、ハウスの一部には刃物で切られたようなあともあった。
スイカ生産者・永井利友さん「真心こめてね、一生懸命つくって、次の日には収穫の予定だったんですよ。それをやられたというか、悔しさというかなんというか」
JA鹿本によると、これまでに盗まれたスイカは500玉にのぼっていて、今後パトロールなども検討しているという。