×

救済法成立 一時金請求の受け付け始まる

2019年4月24日 22:02
救済法成立 一時金請求の受け付け始まる

旧優生保護法のもと障害者らが不妊手術を受けさせられた問題で、被害者への「反省とお詫(わ)び」を明記した救済法が、可決、成立した。政府は法律を施行し、都道府県を通じた一時金の請求の受け付けが始まった。

成立した救済法では、不妊手術を受けさせられた被害者に一時金として320万円を支給するとしている。また、前文で、「我々は、それぞれの立場において、真摯(しんし)に反省し、心から深くお詫びする」と明記している。

被害者らは、「国の謝罪」を求めてきたが、審議で、被害者らの意見を一度も聞く機会はなかった。被害者らは、救済法の成立は評価したものの、十分に被害に向き合っていないと訴えた。

被害を訴える北三郎さん(仮名・76)「『国が謝罪する』ということを法律にはっきりと書いてもらいたい。被害者の人たちに向き合って検討してもらいたい」

一方、救済法の成立を受け、安倍首相は談話を発表した。この中で、被害者に対し、「政府としても、真摯に反省し、心から深くお詫び申し上げます」と謝罪している。その上で、「このような事態を二度と繰り返さないよう、政府として最大限の努力を尽くしてまいります」と強調した。

ただ、国の責任については、明確な言及を避けている。また、根本厚生労働相も「着実な一時金の支給に向けて全力で取り組む」などとする談話を発表した。