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「かるた甲子園」開催危機 参加者急増も…

2019年5月29日 19:04

「畳の上の格闘技」ともいわれる「競技かるた」。百人一首の札をとる早ワザには圧倒される。人気の高まりで高校生の競技大会は参加者が増え続ける一方で、今、思わぬピンチにも直面しているという。何が起きているのか。

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そのまなざしはまさに真剣そのもの。100分の1秒の判断が勝負を分ける刹那の戦い。29日、都内の高校では、放課後、競技かるたの部活練習に打ち込む高校生たちの姿があった。

彼らが青春をかけて打ち込む“競技かるた”は、歌がるたの小倉百人一首を用い、いかに早くとるかを競う競技。瞬発力や記憶力、さらに強い精神力が必要とされることから、「畳の上の格闘技」とも呼ばれている。

数ある部活の中でなぜ“競技かるた”を選んだのか聞いてみた。

競技かるた部員(高2)「映画で『ちはやふる』を見て」

去年公開された完結編は興行収入17億円を突破、人気コミック原作の映画「ちはやふる」。競技かるたを通じ高校生たちの青春を描いた物語だが、この映画に憧れ、競技かるたを始める高校生が年々増えているという。

奥野かるた店・奥野誠子さん「百人一首の売り場、こちらになります」

記者「すごい種類がたくさんあるんですね」

その人気はとどまることを知らず、都内にあるかるた専門店でも、映画「ちはやふる」の公開以降注目が高まったため、種類を増やして取り扱うことにした。

奥野かるた店・奥野誠子さん「『ちはやふる』が英語、フランス語、各国の漫画があるので(客で来た外国人が)迷わず買っていった」

日本の伝統文化の枠を超え、世界的にも人気が高まっているという「かるた」。

しかし、その人気ゆえに今、あるピンチを迎えている。

29日に訪ねたのは、滋賀県大津市にある近江神宮。その敷地内にあるのが「かるた全国高校選手権」通称「かるた甲子園」の決勝戦が行われる会場。

小倉百人一首の巻頭歌の作者が天智天皇であり、近江神宮が天智天皇を祭る場所であることから、1979年から毎年「かるた甲子園」を開催。

映画でも主人公たちが最後の戦いに挑む舞台として登場するこの聖地・近江神宮で、今年も7月に熱戦が繰り広げられる予定。

しかし…。

日本高等学校かるた連盟・増田勝治会長「(参加)人数がどんどこどんどこ増えてきて会場がないんですよ」

もともと8校による団体戦で始まった「かるた甲子園」は、今年過去最多の61校が参加予定。さらに個人戦も過去最多2500人ほどがエントリーし、全体の参加者は10年前と比べ4倍以上に急増している。

そのため会場を市内で分散させる必要があるが、夏場のため冷房があるかなど条件に合う場所選びが難航。さらに個人戦の参加費を500円あげた上に協賛金も募っているが、会場の増設で負担が増えるため、運営費も6割ほど足りていないという。

日本高等学校かるた連盟・増田勝治会長「子どもたちの夢をつぶしてはいかんので、絶対に(会場を)確保して、なくさないという方向でやっていかないといかん」

そして、今週末の地方予選に向け必死に練習する高校生からは…。
競技かるた部・高校3年生「3年間がんばってきて、そこで出し切りたいという思いもある」

競技かるた部・高校3年生「野球の甲子園と同じで、みんな、その大会を目指しているんです。後輩にかっこいい姿を見せて引退したい」

「かるた甲子園」の開催まではあと2か月をきっている。

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