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無駄な社内会議、なくすためのポイントは?

2019年6月19日 14:06
無駄な社内会議、なくすためのポイントは?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「無駄な社内会議、年間15億円の損失」。会議などで活用されている「バタフライボード」を開発した福島英彦氏に聞いた。

総合人材サービスの研究機関が6000人を対象に行った調査によると、無駄な社内会議時間は年間約67万時間。企業の損失額(無駄に費やしている人件費)は、年間約15億円と計算した。

無駄な会議だと実感するのは「会議が終わっても何も決まっていない」「終了時刻が延びる」「ささいな議題で会議を開く」。会議の無駄を減らしていたのは「所要時間の制限」「司会者による決定事項の明確化」だった。

ネット上では「何も決まらない会議は、上司の決断力の無さ」「管理職の人が長々と話すのは本当につまらない」「目的のよくわからない会議が多い」などの意見があった。


――これについての福島さんの意見をお願いします。

『意見の可視化』と書きました。無駄な会議と思ってしまう理由のひとつには、参加意識の薄さもあると思います。「話す人」と「聞く人」という関係ができてしまうと、会議自体がつまらなくなってしまいがちです。重要なのは双方向で、お互いに意見を言える環境をつくっていくというのが、会議の重要なポイントなのかなと思います。


――どうやってつくっていくんでしょう。

私が実践してきたことは、ここにも書いた『意見の可視化』なんですが、どうしても会議というのは、上司と部下や、マーケティングとセールス、あるいは企画と開発のように相反する、つまり対立するような部署の人たちと議論しなければいけません。その中で可視化を行うと、意見が“人からコト”に変わるんですね。書くことによって、その人の発した意見ではなくて、書いたことに対して意見が集まると。だから意見が言いやすくなるんです。

例えば、社長から意見があって「どう思う?」と聞かれても、なかなか社長に対しては意見を言いにくいですよね。でも、社長の意見をホワイトボードに書いたものであれば、意見は言いやすくなるんです。


――そういうものなんですね。

はい、そういうことを会議の場でやっていけば、双方向な会議というのが実現できるのかなと思っています。


――「見える化」することで、より柔軟な意見が言い合えるようになると。

そうなってくると無駄な会議とは思えないので、このことは非常に重要かなと思います。


■福島英彦氏プロフィル
バタフライボード代表。福島氏が開発したバタフライボードは、持ち歩けるノート型ホワイトボード。福島氏はエンジニア職が長かったため、新規事業部門に異動した際、他部署とのコミュニケーションの難しさを痛感したという。しかし、会議室のホワイトボードで可視化しながら会話をすると意思疎通をしやすいと感じたことから、どこでも使える持ち歩けるホワイトボードを着想。副業として製品開発を行い、クラウドファンディングを活用し、「バタフライボード」の商品化を実現した。現在もユーザーの声を聞きながら改良をすすめている。


【the SOCIAL opinionsより】