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浮輪で約37時間漂流…20代女性救助 約80キロ先で発見 静岡の海から沖に流され千葉沖へ

2024年7月10日 21:54
浮輪で約37時間漂流…20代女性救助 約80キロ先で発見 静岡の海から沖に流され千葉沖へ

10日午前、千葉県南房総市の沖合で水着姿で浮輪に入った状態の20代の女性が救助されました。女性は約80キロ離れた静岡県の海で沖に流され、約37時間漂流していたことがわかりました。

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横須賀海上保安部が10日に千葉県沖で撮影した動画を公開しました。ヘリコプターの下にある船には大きなタオルにくるまれた1人の女性がいました。約37時間、海を漂流し奇跡の生還をはたした女性です。

その場所は千葉県の南、11キロの海上。そして、海を漂流し始めたのが、直線距離で約80キロ離れた静岡県下田市の海水浴場です。

一体、女性に何が起きたのでしょうか。

事故が起きたのは8日午後8時ごろでした。

通報
「友人が海に入ったあと戻ってこない」

海で遊んでいた20代の中国人女性が沖に流されたと、一緒にいた友人が通報しました。

警察と消防、海上保安部が付近を捜索しましたが女性は見つけられず、その間、女性はどんどん沖へ。下田海上保安部によると、浮輪に体をいれた状態で漂流していたといいます。

そして10日朝、千葉県沖を航行していた貨物船が女性を発見。漂流開始から約37時間。10日午前9時ごろ、貨物船から連絡を受けた別のタンカーが駆けつけ、乗組員2人が海に飛び込み女性を救助しました。

その後、海上保安部のヘリが女性を引き取り病院に搬送。女性は脱水症状がありましたが、命に別条はないということです。

広大な海でたった1人、37時間も漂流した女性。水難事故の専門家は、“奇跡”の救助だといいます。

水難学会 斎藤秀俊理事
「やっぱり、運よく発見されたのが奇跡だと言っていいと思う」

さらに、大型船にひき殺される可能性もあったと話し、ぶつかることなく救助された点も奇跡だといいます。

水難学会 斎藤秀俊理事
「(夏は)夕方から夜にかけて山から海に向かって風が吹く。夕方遊んでいると結構危ない」

専門家は、同様の事故は日本どこでも起こる可能性があると指摘し、浮輪をしていても足が届く場所で遊んでほしいと話します。