上皇ご夫妻 4年ぶりに奈良を訪問 皇室ゆかりの寺などご覧に
上皇ご夫妻は17日、奈良にある皇室ゆかりの中宮寺の修復された本堂をご覧になりました。ご夫妻が奈良県を訪れるのは4年ぶりです。
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16日に京都から奈良に入られた上皇ご夫妻は、17日午前11時ごろ、皇室とゆかりのある中宮寺を訪問されました。
寺の本堂に安置されているのは国宝の「菩薩半跏像」です。「アルカイックスマイル」と呼ばれる、優しい微笑みで知られています。この本堂は傷みが進んだため修復が行われ、2021年3月に完成、上皇ご夫妻も支援されました。
中宮寺は、かつて女性の皇族が出家し門跡を務めてきた尼門跡寺院で、門跡と副門跡が案内役を務めました。靴を脱いで中に入りゆっくりと拝礼されたご夫妻。壁を触るなどして説明を聞き、「安心できるきれいなお堂になりましたね」と述べられたということです。
上皇ご夫妻が前回、奈良を訪問されたのはコロナ禍前の2019年3月です。初代の天皇とされる神武天皇陵を訪問し、退位を報告する儀式の1つに臨まれました。
今回の奈良訪問は約4年ぶりとなります。窓を開けて沿道に集まった多くの人々に手を振って応えられました。
沿道に集まった人
「晴れ晴れしたお顔をされていました」
沿道に集まった人
「お元気にされているのが一番良かったですね」
午後の訪問先は「なら歴史芸術文化村」で、文化財の修復作業などをご覧になりました。奈良の世界遺産・薬師寺にある国宝「東塔」の模型の前では…
上皇さま
「何の木を使っていますか」
奈良県の担当者
「ヒノキの心柱を使っていたんですが、途中で修理が入りまして、上の方はスギの木で…」
上皇さま
「スギの木。なるほどね」
熱心に説明を聞かれた上皇ご夫妻。こんな和やかな場面もありました。
奈良県の担当者
「こちらはこの塔の一部を切り取ったものです」
上皇さま
「これはいつ頃できた模型ですか」
担当者
「これはですね、昨日です」
上皇さま
「新しいんだね」
5日間の日程で京都と奈良を訪問していた上皇ご夫妻は、18日に東京に戻られる予定です。