発達障害の子でも…安心してサッカー観戦
発達障害の子どもたちにサッカー観戦を楽しんでもらおうと、民間企業3社と川崎市が、スタジアムに観戦できる場をつくりました。
参加したのは川崎市と大分県に住む20人の子どもたちとその家族。子供たちは人混みや、大きな音が苦手という発達障害を抱えています。
そこで、彼らのために「センサリールーム」という特別な部屋が用意されました。目的は、発達障害を理解してもらい、共生できる社会の実現を目指して、企業3社と川崎市が手を組みサッカー観戦ができる場を作ること。Jリーグと川崎フロンターレが賛同し、実現しました。
大分県から来た三砂舜君(8)。付き添うのは母親とお兄ちゃんです。この日は舜君の地元、大分トリニータとの試合です。
舜君たちが観戦する場所は、ガラスで仕切られ、防音効果があるスタジアムの6階。これは音に敏感な子供のための配慮です。スタジアムに響き渡る大声援も、この部屋では、ほとんど聞こえません。更に照明を落として、光の刺激も緩和。
舜君は、自閉症スペクトラムで、多動の傾向もあります。そのため、今までスタジアムでの観戦はできませんでした。
舜君の母親「大勢の方がいる場に来た時に行方不明になるかもしれないという不安は、常につきまとっているので」
しかし、今回は部屋の中からの観戦なので母親も安心です。
「トリニータ行け!」――舜君が、地元チームに声援を送ります。
試合の途中、部屋のある一角に向かった舜君。そこは幻想的な明かりが灯っています。スヌーズレン機器と呼ばれ、ここに入ると自律神経のバランスが整いリラックスできるといます。舜君自身も、リラックスした様子です。
舜君「マイクで聞く!」「これマイク?」
カメラのマイクに興味津々。自分から積極的に話しかけてきます。サプライズでやって来た川崎フロンターレの選手たち。舜君は物おじしません。選手たちにサインをもらって、ご満悦。さらに記念写真も撮ってもらいました。
残念ながら、大分トリニータは負けてしまいましたが、舜君にとって、居心地の良い空間だったようです。母親の願いはただ一つ。
舜君の母親「無事に自立してくれるとうれしいなと思っています」
【the SOCIAL lifeより】