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マイナ保険証、70%の医療機関でトラブル 「有効期限切れ」も…ナゼ 従来の保険証が“助っ人”に?【#みんなのギモン】

2024年12月3日 9:45
マイナ保険証、70%の医療機関でトラブル 「有効期限切れ」も…ナゼ 従来の保険証が“助っ人”に?【#みんなのギモン】
これまでの健康保険証は2日から新規で発行されなくなり、マイナ保険証への本格移行が始まりました。医師10万人以上が加盟する団体の調査では、全国の約7割の医療機関でトラブルや不具合が発生。対処する上で、従来の保険証もまだ役立つかもしれません。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「マイナ保険証 トラブルどう回避?」をテーマに解説します。

■都内の薬局、使っている人は約5%

富田徹・日本テレビ解説委員
「2日から健康保険証がマイナ保険証に本格的に移行します。都内の薬局ではこの日、窓口でスタッフが『マイナ保険証を持っていますか?』と声を掛けていましたが、使う人は5%程度にとどまっているそうです」

鈴江奈々アナウンサー
「ちょっとわかる気がします。最近まで私もマイナンバーカードを持ち歩いていなくて、持つだけでドキドキします。保険証としてまだ使っていないので、どう使っていいかわからないです」

富田解説委員
「これまでのカードの健康保険証は、2日からは新規に発行されなくなりますが、使用に関しては猶予期間があります。会社員などが持っている保険証の場合には、来年12月1日までの1年間は今までと変わらず使うことができます」

「一方で国民健康保険などの場合には、保険証に書かれている有効期限までの間は使うことができます」

■別の医療機関での診察履歴を確認

富田解説委員
「マイナ保険証はどう活用されているのでしょうか。神奈川・川崎市の眼科では初診の方が、受付でマイナンバーカードを取り出しました。マイナ保険証を使うことで、これまでの聞き取りやデータ入力などはなく、カードをかざすだけで受付が終了しました」

「さらに、患者の情報が医師のパソコンに直ちに表示されます。患者の同意を得て別の医療機関での診察履歴なども確認できます」

■マイナ保険証を使うメリット

富田解説委員
「ほかにも、別の病院で処方された薬の情報を、お薬手帳なしでも医師に伝えることができます。さらに救急搬送の時、マイナ保険証を端末で読み取ることで、症状が重い患者さんたちが自ら説明する負担を軽減でき、搬送先の病院選びもスムーズにできます」

斎藤佑樹キャスター
「こういうことができるととても使いやすいですし、移行していくのも楽しみになりますね」

■マイナ保険証のトラブルや不具合は?

富田解説委員
「これまでの保険証は、今どこにありますか?」

刈川くるみキャスター
「マイナンバーカードと一緒に財布に入れています。もう使わないよなと思いながらも一応入れている感じです」

「実は活用する場面があるかもしれないというデータがあります。全国10万人以上の医師が加盟する、全国保険医団体連合会による今年8月~9月の調査では、対象となった1万2735の医療機関のうち、マイナ保険証のトラブルや不具合があったのは8929に上りました」

「具体的にどんなトラブルがあったのか。67.4%と一番多かったのは、名前や住所に旧字体が含まれていた場合に黒い丸が出てしまうことです。例えば、名前の漢字が『はしごだか』が正確に表示されず、黒丸になってしまったケースもあるそうです」

「次に、カードリーダーの接続不良や認証エラーが52.9%。資格情報が無効になってしまうケースは47.8%ありました。これは、カードをかざした時に保険の番号が認証されない、無効と出てしまうトラブルです」

森圭介アナウンサー
「自分ではわからないですよね」

■オンラインで使うための「電子証明書」

富田解説委員
「さらに、有効期限が切れていたというケースが20.1%ありました。どういうことかわかりますか?」

斎藤キャスター
「始まったばかりなのに、ですか?」

富田解説委員
「マイナ保険証を利用するには、マイナンバーカードをオンラインで使うための機能である『電子証明書』が有効になっていないといけない、という仕組みがあります」

「ただ、この電子証明書はマイナンバーカードの発行日から5回目の誕生日まで。つまり5年ほどで、役所などの窓口でパスワードなどを更新する必要があります。これをしないと有効期限が切れる、つまりその日からマイナ保険証も利用できなくなる可能性があります」

刈川キャスター
「この週末にマイナンバーカードの本体の更新をしたので、10年大丈夫と思っていました。カードの有効期限は10年なのに対して、電子証明書はどうして5年ごとに更新しないといけないんですか?」

富田解説委員
「政府は、5年ではなく10年だと、ハッキングなど技術が進みすぎて壁が破られてしまう、暗号が解読されてしまうからだと説明しています。同じセキュリティー面で本人確認をしっかりやるために、窓口に出向いて対面で行う必要があると決められています」

■「資格確認書」が保険証の代わりにも

富田解説委員
「総務省によると、来年には約2769万人が電子証明書の更新が必要になるそうで、注意が必要です。切れる2か月~3か月前に、手続きを呼びかける通知が送られてきます」

斎藤キャスター
「窓口に行くのは結構大変だと思います。オンラインなどにできたらいいなと思いますね」

富田解説委員
「そう思ってしまいますよね。こうしたトラブルが起きた時、どのように対応したか。最も多かったのは、その日に持ち合わせていた健康保険証で資格確認をしたという回答でした」

鈴江アナウンサー
「これまでの保険証も持っていなくて窓口でトラブルにあった場合、どうしたらいいんですか?」

富田解説委員
「前の保険証の時に送られてきた『資格確認書』というものがあり、これを提示すれば保険証の代わりに使うことができます」

鈴江アナウンサー
「いずれにしてもこの過渡期にはいろいろトラブルがありそうなので、準備が必要ですね」

富田解説委員
「マイナ保険証については、個人情報が漏れることを心配する声も聞かれます。政府には、人々が安心して使えるように努めてほしいと思います」

(2024年12月2日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

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最終更新日:2024年12月3日 9:45