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どう解決?日本の教員、世界一の長時間労働

2019年9月25日 13:32
どう解決?日本の教員、世界一の長時間労働

世の中で議論を呼んでいる話題についてゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「日本の教員、世界一の長時間労働」。N高等学校の副校長・上木原孝伸氏に聞く。

OECD(経済協力開発機構)が今年6月に発表した「教員の仕事時間」によると、中学校の教員の1週間の労働時間は参加48か国・地域の平均が38.3時間だったのに対し、日本は56時間と参加している国の中で最も長くなっている。

この状況に対し、ネット上では「勉強を教える以外の時間が多すぎる」「先生たちだけ変えられることではない」「AI導入などで働き方改革はできないのか」と言った声が聞かれた。


――フリップをお願いします。

『教職員サポート部』と書きました。私も長い期間、教壇に立っていまして、長時間労働は当然解決しないといけないことなんですが、教員たちが一番ストレスになるのは、雑務に追われて、生徒と向き合う時間が取れない、これが長時間労働以上にストレスになることなんですね。

N高で実は今年の4月から教職員が生徒に向き合う時間を増やすために、「教職員サポート部」という部署をつくりました。これを立ち上げるにあたって、業務の棚卸しをやっていきました。例えば、「この仕事は先生が絶対しなければいけない」「この仕事は先生でなくてもできる仕事では?」、さらに「慣習的にやってきたけど、これはやらなくてもいい仕事じゃないかな」と大きな3つに切り分けました。その中で、教員でなくてもやらなければいけない大事な仕事はあるので、それを教職員サポート部に任せていくという取り組みです。

その中には、N高なので「動画授業が見られません」といったテクニカルな質問なども、今までは教職員に来ることがあったんですが、テクニカルサポートセンターのようなものをつくって、そこに聞いてもらうことにして、先生たちは生徒たちの夢に対してどうするとかいうような話を中心にできるように今変えていっています。まだまだ半ばですが、少しずつそういう動きができたらと思います。


――こういう取り組みがどんどん広がって、先生が本来の業務に集中できるといいですね。

そうですね。本当にそう思います。


■上木原孝伸氏プロフィル
N高等学校の副校長。大手教育企業で講師として17年にわたり教壇に立ち、ITと教育の可能性を感じ、ドワンゴに入社し、N校のプロジェクトに参画。日本全国で生徒が学習しているネットの高校の運営に挑んでいる。


【the SOCIAL opinionsより】