廃校で暮らすおばあちゃん「これもご縁」
廃校になった小学校で暮らす、おばあちゃんがいる。かつての教室はリビングに変身。そこでは思わぬ出会いもあるという。
道端に立てかけられている表札。この坂道を上がった先にあるのは小さな学校。今は廃校になっている大分県豊後高田市の旧都甲小学校の分校だ。鐘をならすと、家主の山田照子さんがお出迎えする。
玄関を入ってすぐのところは職員室だったが、インテリアを置き、職員室が広々とした玄関になった。
奥に進んでいくと…
山田さん「教室です。1つしかない。昔の」
教室だった場所は広さは25畳のリビング。窓や黒板など、当時の面影を残している。昭和29年に建てられたこの分校には、地域の小学生が通っていた。
山田さんのかつての夢はログハウス暮らしだった。物件を探していると、知人からログハウスよりも自然を感じられると紹介され約500万円で廃校を購入し、平成3年に家族で移住した。
山田さん「すごく四季は十分にあります。たっぷりで自然が」
しかし教室と職員室、宿直室だけだったので、お風呂や水洗トイレ、居住スペースは後から増築した。増築したところは、元の校舎と似せて建てたのでリフォーム費用は3000万円。費用をかけても残したことで、思わぬ出会いが生まれた。
山田さん「卒業生がね。来ます、来ます。まだあったのっていってね」
訪問してくる卒業生のために校庭に休憩スペースを作った。
山田さん「勝手においでっていってるの。休んでいってって」
今は息子と2人暮らし。趣味の音楽を聴きながら毎日を過ごしている。休みには孫たちが遊びに来る。地域住人とイベントを行うこともあり、廃校はみんなの憩いの場になっている。
山田さん「ログハウスを建てたいという夢があったから、ここがあって、まさか住むなんて思いもしなかった。これもご縁ですね」
【the SOCIAL lifeより】