日本酒「とちぎの星」大ヒット!理由は…?
栃木県のとある酒蔵が製造している日本酒に、先月から注文が殺到している。百貨店では、1か月に売れる本数が1日でなくなるほどの人気ぶり。一体、何が起きているのだろうか。
全国各地の銘酒150種類ほどを飲み比べすることができるというお店。ここ最近、急激に人気が高まっている日本酒があるという。それが栃木県で造られる純米酒「四季桜とちぎの星」。
名酒センター、今正光さん「非常に人気でどんどん(在庫が)はけているということなので、焦って電話で注文しました」
全国に数えきれないほどある日本酒の中で、なぜ今「とちぎの星」の人気が急騰しているのだろうか。
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栃木県宇都宮市にある製造会社を訪ねた。すると中では…。
宇都宮酒造、菊地正幸社長「注文はまだあと何千本、2000本ぐらいきてるので」
従業員が出荷作業に大わらわ。少し前までは、この忙しさは予想していなかったという。
コメのうま味をしっかりと残すことにこだわり造っているという「とちぎの星」。誕生したきっかけは4年前、栃木県出身の芸人・U字工事さんが県産米「とちぎの星」をPRするイベントで、「このコメで造ったお酒も飲みたい」と話したことだという。
その翌年からコメと同じ商品名「とちぎの星」として、日本酒の販売を開始したが、先月、その運命を劇的に変える出来事があった。
宇都宮酒造、菊地正幸社長「大嘗祭(だいじょうさい)に献上されるお米という形で、栃木県の『とちぎの星』という銘柄が選ばれまして」
天皇陛下の即位に伴って行われる「大嘗祭」。コメを神々にお供えして収穫を感謝する行事だが、そこで使われるコメに「とちぎの星」が選ばれた。
その相乗効果で、こちらの会社が造る純米酒「とちぎの星」も…。
宇都宮酒造、菊地正幸社長「720ミリリットル瓶についてですと、約1年間分がこの2週間で注文いただいた形になります」
神々にお供えされるコメで造ったお酒を飲んでみたいと注文が殺到。去年の同時期に比べ、注文数は10倍以上に急増したという。
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高まる人気への期待は地元でも。こちらの百貨店は急きょ特設コーナーを設置したという。
福田屋百貨店和洋酒担当、緑川隼人主任「最初は対応できなくて売り場で欠品してしまうような状況でしたね」
日本酒人気が下火傾向にある中、近年にない大ヒットだという。
福田屋百貨店和洋酒担当、緑川隼人主任「とちぎの星をきっかけに、ほかのお酒(日本酒)とかにも波及していってくれれば」
栃木で生まれた「とちぎの星」は、日本酒人気復活を遂げる「希望の星」となれるのだろうか。