コミュニティ-参加で人生の充実度が高まる
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「コミュニティ-参加で約8割 人生の充実度高まった」。“100人カイギ”発起人の高嶋大介氏に意見を聞いた。
DMMオンラインサロンが、20代~40代の男女600人に「コミュニティーへの参加について」聞いたところ、34.8%の人が「自分の居場所が見つけられそうなら参加したい」と回答。また、79.5%の人が「コミュニティーに参加したことで人生の充実度が高まった」と回答した。
ネット上では…
「自分のコミュニティー、会社以外ない」
「新しいコミュニティーへの参加はハードル高い」
「会社以外のコミュニティー、どんなものがある?」
などの意見があった。
――高嶋さんにご意見をうかがいます。まずはフリップをお願いします。
「ゆるいつながり」です。
どういうことかというと、多分インターネットの普及が、たぶん「つながり方」を変えてきたと思うんです。それ以前というのはどちらかというと、例えば会社とか、町内会みたいな、結構、地縁の濃いつながりが多かったと思うんです。でも、それがインターネットによって、すごく「ゆるくつながれるように」なってきたという話です。
1973年にアメリカの社会学者マーク・グラノヴェッターが書いた「弱い紐帯(ちゅうたい)の強さ」という論文があります。ネットワーク理論の話なんですが、強い関係性の人からよりも弱い関係性の人たちからの方が新しい情報が得られる。そんなことをこの論文ではいっています。
――ゆるいつながりの人からの方がいい情報が得られるのですか?
そうですね。強いつながり、知り合い同士ですと「その情報知っているよね」とかですね。でも、知らない人だと、自分の知らない情報持ってるので、広がりのある情報が得られやすいというようなことをいってます。
――だからこそ、ゆるいつながりが大事だということなんですね。 これは時代によるものでもあるんでしょうか。
きっとそうだと思います。ただこの論文は40年ぐらい前のものなのでその頃からいわれてますが、今でこそインターネットがあるので、弱いつながりが作りやすいとかですね。
あと今の日本の企業の文化かもしれないですけど、どうしても終身雇用という形で企業の中で働いてるとやっぱり、その中で済んでしまう。そうすると新しい情報を求めなくても仕事ができてしまう。
ただ、時代が変わっていく中でどんどん皆さんも外向きになって、つまり、イノベーションを起こすにしても外に向いていかなきゃいけない、つながらなきゃいけない、どうやってつながりを作っていくか。そんな形でコミュニティーというものを使いながら外の接点を作っていくということを求めているのだと思います。
――なるほど企業に入って同じ仕事をし続けることに今、不安を抱いている方も多いですよね。そういう方たちがコミュニティーに入っていく…。
そうですね。実は私の経験もそうなんですけれども、色々な人と知り合うことによって目線が広がるんですね。そうすると、意識も変わってきます。そういった意味で、色々なことを知りたいとか変えたいとか、そんな思いもあるのかなと思います。
――仕事だけじゃなくて人生も変わっていきそうですね。
そうですね。今回の「充実が高まる8割」というのは、まさにそこにあてはまるのではないかなと思います。
■高嶋大介氏プロフィル
全国各地で開催されている100人カイギの発起人。100人カイギは5人ずつのゲストに話してもらうイベントを20回開催して100人が話したら終了するというコミュニティー活動。高嶋さんは、同じ会社に勤めていても1度も話したことがない人がいると気づいたことをきっかけに東京都の港区で100人カイギをスタート。会社・組織・地域の“身近な人”同士のゆるいつながりがまちの在り方や価値の再発見になると、現在では全国約30か所以上で開催されるなど全国各地に広がっている
【the SOCIAL opinionsより】