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静岡~三重沖の“海底地震観測システム”で障害、海底ケーブル損傷か 緊急地震速報に遅れも

2022年12月27日 18:58
静岡~三重沖の“海底地震観測システム”で障害、海底ケーブル損傷か 緊急地震速報に遅れも

静岡県御前崎から三重県志摩半島にかけての東南海沖にある気象庁の海底地震観測システムで、今月16日から観測データが送信できない障害が発生していますが、原因について、海底ケーブルが損傷している可能性が高いことがわかりました。

静岡県から三重県の沖合の東南海沖の海底に設置している「東南海ケーブル式常時海底地震観測システム」の地震計と津波計では、今月16日から障害が発生し、8つあるすべての観測点で現在も観測データが送信できない状態になっています。気象庁によりますと、ケーブルに信号を送って確認したところ、静岡県御前崎から沖合におよそ4キロ付近で、電力を供給して観測データを送るための海底ケーブルが損傷している可能性が高いことがわかったということです。

気象庁は引き続き海底ケーブルの損傷状況の調査を進めるとしていますが、復旧には少なくとも数か月かかり、年度内に復旧することは難しいということです。

これらの観測データは緊急地震速報の発表に使用されていますが、仮に、この観測点の周辺を震源とする地震が発生した場合、緊急地震速報の発表が平常時より最大で13秒程度遅れる可能性があるということです。一方で、津波警報や地震情報の発表には影響はないとしています。

「東南海ケーブル式常時海底地震観測システム」は南海トラフ巨大地震の監視を目的として2008年に設置されたもので、水深およそ1000メートルから2000メートルの海底に複数の地震計と津波計が設置されています。

今年8月にも地震計から正常な観測データが送れない障害が発生していました。


画像提供:気象庁