鳥島近海で軽石を採取 先月の地震・津波と海底火山の関連を調査へ――気象庁
先月、地震活動が続き津波が発生した伊豆諸島の鳥島近海で、気象庁の海洋気象観測船が軽石を採取しました。軽石の発生源は分かっていませんが、今後、周辺の海底火山との関連を調べるということです。
鳥島近海では先月上旬、地震活動が活発になり、9日には伊豆諸島をはじめ、日本各地で津波が観測されました。しかし、津波を引き起こすような大きな地震の発生はなく、なぜ津波が発生したのか原因の究明が急がれています。
そんな中、先月下旬、海上保安庁の航空機が鳥島近海で南北方向におよそ80キロにわたり、軽石とみられる浮遊物が点在しているのを上空から確認したため、気象庁は海洋気象観測船「啓風丸」を鳥島近海に向かわせ、観測を実施しました。
その結果、鳥島の南西およそ100キロの海域で軽石が点在しているのを発見し、その一部を採取したということです。軽石は、一番大きなもので直径10センチ程度でした。
軽石は火山の噴火によって見られるものですが、今後、複数の研究機関で分析を行い、鳥島近海周辺の海底火山から噴出した可能性など詳しく調べるとしています。
一方、気象庁によりますと、軽石を採取した付近にある活火山「伊豆鳥島」や「孀婦岩」の周辺では、噴煙など特段の変化は観測されていないということです。