「イベルメクチン」コロナ軽症患者の臨床試験で有効性見いだせず 興和が発表
寄生虫の治療薬「イベルメクチン」の新型コロナウイルス治療薬への転用を目指していた「興和」は、臨床試験で有効性を見いだすことができなかったと発表しました。
「興和」によりますと、軽症の新型コロナ患者1030人を対象に寄生虫の治療薬「イベルメクチン」を投与した群と、投与していない群で比較した臨床試験を行ったところ、4日前後でどちらの群も症状は軽くなったものの、統計的な有意差は認められなかったということです。また、どちらの群も死亡例はなく、重症化した人は一部いたものの、ほとんど認められなかったということです。
興和は「今後もデータ解析を進める」としていますが、「現時点では、新型コロナ治療薬としての製造販売の承認申請は考えていない」としています。
「イベルメクチン」は、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学の大村智特別栄誉教授らが発見した抗生物質を用いた寄生虫などの治療薬で、新型コロナ治療薬への転用を目指して臨床試験が続けられていました。