蒸気機関車「“無料”で譲ります」市が決断
福岡県北九州市の公園でひっそりと展示されている蒸気機関車、SL。およそ102年前に製造され、地元で石炭を運び、地球70周分も走った“功労者”。
このSLを巡り、管理する市が今月から“ある募集”を行っている。
北九州市若松区役所 まちづくり整備課・中村友治係長「全国どなたでもこれをかわいがって維持管理してもらえる方であれば、市の方では譲るような形をとっています」
それは、このSLの引き取り先を募り、“無料で譲る”というもの。(運送費用は自己負担)
この決断に地元の人は…
地元の人「ここから撤去されるのは寂しいですけど」
でも、なぜ市はSLを手放す事にしたのだろうか?
北九州市若松区役所 まちづくり整備課・中村友治係長「後ろの方は、穴も大きく開いていますので、そこが鋭利になっているので(危険)」
展示されているSLは長年の雨風で老朽化が進み、予算の都合もあり、修繕に手が回らず、塗装がはがれ、大きな穴が開いている。
市は子供たちがケガをする危険性などを考慮し、SLを手放す事を決めたという。
北九州市は今月25日まで募集をする一方、引き取り手がいなかった場合には、年度内に撤去するという。
こうした中、すでに撤去した自治体もある。
東京・東村山市の公園にもSLが展示されていたが、現在、SL車両は撤去され、その姿はない。
震度6以上の地震が起きた場合、車体に残っている発がん性物質の「アスベスト」が飛散するおそれがあるとして、解体・撤去された。
譲渡か、解体か。老朽化したSLの進路は分岐点にまで来ているのかもしれない。