「おかえり晃…」息子捜し続けた家族の思い
熊本地震で土砂崩れに巻き込まれた大学生の大和晃(ひかる)さん。家族は来る日も来る日も、息子を捜し続けました。
母・忍さん「会いたいです、抱きしめたいです」
熊本を襲った震度7の激しい揺れ。晃さんは断水した友人宅に水を届けに行っていました。
晃さんの友人「それでじゃあまた今度ねと、いつもみたいに解散して…」
友人と別れて1時間後、再び震度7の地震が…熊本地震の「本震」です。この揺れで、幹線道路が、土砂にのみ込まれました。家族は、警察や村役場に捜索を依頼しました。しかし、“危険で、現場に近づくことはできない”という回答。
忍さん「声が聞きたいです…」
家族は決断しました。自分たちの手で晃を捜すと。
父・卓也さん「子どもをまず見つけたいと。見つけた上で子どもを自宅に連れて帰りたい」
晃さんが乗っていたのは黄色いトヨタの車。地震から3か月…巨大な岩が転がる谷底を進みます。そして…
卓也さん「確実に間違いないです」
黄色い塗装にトヨタの文字。この中に晃さんがいるに違いない。「もうすぐ連れてかえるばい」…忍さんは、自分で折った千羽鶴を飾りました。
約2週間後。警察などによる捜索がようやく始まりました。捜索から3日目、晃さんが発見されました。
春、晃さんも同級生と一緒に大学を卒業しました。母は祈りの鶴を折り続けています。
忍さん「晃が次の世で穏やかに過ごせるように…」
※2017年4月放送、くまもと県民テレビで制作したものをリメイク
【the SOCIAL×NNNドキュメントより】