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【気象解説】「台風10号」週明け上陸か 2018年の台風21号に似たコース

2024年8月23日 17:35
【気象解説】「台風10号」週明け上陸か 2018年の台風21号に似たコース

日本の南を北上中の台風10号が、来週火曜(27日)~水曜日(28日)ごろに、西日本から東日本に上陸するおそれが出てきました。最新の情報を木原実気象予報士に聞きました。

■2018年の台風21号に類似か

今後の影響が心配される台風10号。現在(23日午後5時時点)は、日本のはるか南にあって、ゆっくりと北上しています。気象衛星による雲の様子からも、周辺の雲が大きくまとまりつつあり、急速に発達しつつあるとみられます。

台風10号は、今後さらに発達しながら北上。日曜日(25日)には小笠原諸島の西の海上を進み、来週火曜(27日)~水曜日(28日)には、強い勢力を維持して西日本から東日本にかなり接近し、上陸するおそれがあります。予報円の中心線付近を進めば、紀伊半島付近に進む予想ですが、来週火曜日(27日)から水曜日(28日)の予報円はまだ大きく、一番西を進めば四国付近、東側を進めば関東というコースも考えられます。いずれにせよ現時点では、西日本から東日本のどこかに台風が上陸する可能性が高まっているといえます。

この台風10号は、2018年9月に非常に強い勢力で四国や近畿を直撃し甚大な被害をもたらした台風21号に似ています。接近・上陸時の勢力を比べても、同じような中心気圧、最大瞬間風速が予想されていて、猛烈な風や高波、高潮などに厳重な警戒が必要です。

■秋雨前線+台風の湿った空気で大雨おそれ

そして今回の台風は、接近する前から大雨になるおそれがあります。雨の予想を見ると、あす(24日)も各地で不安定な天気が続き、きょう(23日)以上ににわか雨や雷雨のエリアが広がりそうです。その後、日曜日(25日)から月曜日(26日)にかけても広い範囲で雨が予想されていますが、この原因が「秋雨前線」です。

台風と前線の組み合わせは過去何度も記録的な大雨をもたらすなど、危険な組み合わせとして知られていますが、今回も影響が心配されます。

というのも、台風の接近前から前線に向かって台風が持ち込む非常に湿った熱帯の空気が流れ込んで、前線の活動が活発化するおそれがあります。特に南東斜面では、雨が長時間にわたってかかり続け、雨量が多くなるおそれがあります。

台風の進路によって影響する地域が大きく変わってきますので具体的にどの地方でどの程度影響が出るかはまだわかりません。ただ、参考になるものとして、気象庁から「早期注意情報」いわゆる「警報級の可能性」というものが発表されています。

来週火曜日(27日)には、九州から東海の広い範囲で、そして水曜日(28日)には四国・中国から北日本にかけての広い範囲で警報級の風が吹く可能性があるほか、九州から東海、そして北陸などでは、警報級の高潮が発生する可能性があります。(気象庁:午前11時発表の情報による)

まだ、台風そのものが日本からは離れていますので、接近まで時間的な猶予があります。直前になってからではなく、早めの台風対策を心掛けてください。