老朽化で撤去される歩道橋…困惑の声も 全国で2600基が措置必要
全国各地にある2600基の歩道橋が、緊急、または早期に措置が必要な状態になっています。老朽化を理由に撤去される歩道橋も多く、利用者からは困惑の声が聞かれました。
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埼玉県坂戸市、その線路脇には…
記者
「歩道橋があったこちらの場所ですが、今は柱のみが残されています」
この場所には、1970年代から線路の上に歩道橋がかかっていました。しかし、11月24日に老朽化を理由に上の部分が撤去されました。
地元の人
「毎日利用していました。なくなって不便ですね」
地元の人
「買い物行く時にどうしても通る。(今後は)店を変えるとか」
歩道橋が撤去されたため、今は200メートルほど離れた駅や踏切まで行かないと、線路の反対側に行けなくなったのです。
また、男の子の親からはこんな話も…
地元の人
「よく階段の上から電車を見ていて。大好きなんですよ、電車が」
歩道橋の上から、電車を眺めることはできなくなりました。
地元の人
「古い感じはしたけど、取り壊しちゃうなら新しく作ってくれたらよかったのに」
老朽化が深刻な日本のインフラ。歩道橋は全国に1万1786基あります。(国交省 2022年度)
その多くは、道路整備が進み、交通事故での死者数が増加した1970年前後に作られましたが、2600基ほどが、緊急、または早期に措置が必要だとされています。
ただ、その架け替えや維持にはお金がかかり、苦労している自治体も少なくありません。
東京・葛飾区にある歩道橋も「早期に措置が必要」な状態です。横断歩道のある交差点の一画に設置されていますが、ボロボロです。
記者
「穴が開いていて、先が見えますね」
設置からすでにおよそ55年。葛飾区では、こうした老朽化の激しい2つの歩道橋を、来年1月から撤去工事を行うと決めました。
葛飾区民
「困るのは困る」
葛飾区民
「赤信号の時間が長い。ちょっと困ります」
地元の人からは「困る」という声が上がった一方で…
葛飾区民
「歩道橋で(歩道が)細いし」
葛飾区民
「狭いから、お互い譲り合って」
歩道橋が歩道を占拠し、「通行の邪魔になっている」という意見もありました。
多くの人の安全を守る歩道橋。その在り方が問われています。