世界初の人工流れ星 実現なるか?
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「世界初の人工流れ星 実現なるか?」。世界初の人工流れ星の実現を目指す株式会社ALE代表の岡島礼奈さんに話を聞いた。
株式会社ALEは、2019年12月6日に人工流れ星の実現に挑戦する人工衛星2号機の打ち上げを行い、軌道投入に成功しました。今後数か月間、運用試験を実施し、2020年に世界初の人工流れ星実現を目指します。
ネット上の意見です。
「東京オリンピックで流れ星見たい!」
「人工でも流れ星に願い事したらかなう?」
「宇宙ゴミを増やすことにならないか?」
などの声がありました。この話題について岡島さんのご意見をうかがいます。
――まずはフリップをお願いします。
「人類の持続的な発展」と書きました。
これは宇宙開発を行う意義でもあり、さらにこのALEがまずは流れ星を皮切りに実現していきたいと思っている姿です。
宇宙開発は、宇宙を開発していくことによって、人間の生存の場所も広がりますし、さらにそれを地球の持続可能な利用のためにどんどん役に立てていける技術だと思っています。
私たちは流れ星を通じて、たくさんの人々の宇宙や科学への関心を高めながら、地球の中間圏の研究、中層大気の研究をすることによって、まずは地球環境の持続可能性を支えていきたいと思っています。
――中層大気の研究をすることで、何がわかってくるのでしょうか。
実は、気候変動の予兆がそこに一番現れているという研究が最近よくあり、気候変動という切り口で研究を行っていきたいと思っております。あとは、惑星のテラフォーミングなど今後惑星にどんどん進出していく時に出ていくかもしれないのですが、そういった技術も実は、地球を皆さんが快適に過ごしていくためのものとして使えると考えております。
――流れ星ってエンターテインメント性がありますが、そのほかにもいろんなことをされてらっしゃるんですね。
そうですね。同時に、科学も発展していって人類が持続的に発展していくことを描いています。
――また先ほどのネットの意見にもありましたが、宇宙ゴミはどうなっているのでしょうか。
ご心配いただくのですが、対策は万全にやっておりまして、ちゃんと発生しないような精度および計算をして、宇宙ゴミが発生しない手はずを整えております。
――宇宙ゴミを心配されている方はもしかして流すものが大きいと思っているのかなと、私は思ったのですが、すごく小さいものですよね。
流れ星の粒は1センチぐらいです。そしてかなり精度も高くできます。
――いよいよ来年の春ということなんですけれども、いかがですか。
自分自身ももうドキドキしているのですが、皆さんに楽しんでいただけるように届けていきたいと思います。
――(モニターの流れ星の映像を指して)後ろに流れていますが実際にこのように見えるということでしょうか。
実際の天然の流れ星よりもゆっくり、長くなっていると思うのですが、このようにちょっとゆっくり、長めに流れる想定です。
――願い事を3回言えますか。
言えます。
■岡島礼奈さんプロフィル
株式会社ALE代表。東京大学大学院天文学専攻にて博士号を取得後、ゴールドマン・サックス証券へ入社。その後、2011年9月に人工流れ星をビジネスとして行う会社、株式会社ALEを設立した。世界初の人工流れ星事業では、特殊な素材の粒を軌道上の人工衛星から宇宙空間に放出して大気圏に突入させることで、流れ星を人工的に再現することを目指している。人工流れ星を流すことでエンターテインメント事業を行うと同時に、人工流れ星を観測することで気象予測などに活用できるデータを取得し、さまざまな科学発展にも貢献していく。
【the SOCIAL opinionsより】