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高齢者の孤独死が増加…「見守りサービス」に注目 配送業やガス会社も参入 ふるさと納税の返礼品にも…

2023年4月14日 19:24
高齢者の孤独死が増加…「見守りサービス」に注目 配送業やガス会社も参入 ふるさと納税の返礼品にも…

高齢者の孤独死が増加している中、何かあった時に家族などに異変を知らせる「見守りサービス」。大手運送会社やガス会社など、様々な企業が参入しています。こうした動きは企業以外にも広がっていて、ふるさと納税の返礼品にしている自治体も出てきています。

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都内で一人暮らしをしている86歳の女性のお宅を訪ねました。リビングにある照明の電球には、24時間つけたり消したりしなかった場合に、事前に登録した家族や知人にメールで通知が届く仕組みが搭載されています。もしものことがあったら周囲に知らせることができる“高齢者を見守る電球”なのです。

一人暮らしの女性(86)
「私が一番不安なのは、一人でいる時に何かあった時、子どもたちに迷惑かかる」

高齢者の一人暮らしが年々増加している中、65歳以上の自宅での死亡者数は東京23区内だけでも増加傾向にあり、2020年には4207人に達しました。(※東京都監察医務院の統計より)

東京・巣鴨では、心配の声が聞かれました。

一人暮らしの女性(80代)
「あんまり近所づきあいというのがない。『孤独死』ってよく新聞に出てたりするから、やがて我が身だと思って」

一人暮らしの女性(70代)
「(もしもの時)気づいてもらえなかったら困る。それなりに、やりとりができる人が周りにいないとだめ」

両親と離れて暮らす人も「今のところは(両親)2人とも健在で、まだ考えられないですけれども(片方が)病院に入っちゃったりとか、いなくなっちゃったりすると、現実的に考えないといけない」と話しました。

こうした中、注目をあびているのが「見守りサービス」です。各企業が参入していて、この電球を使ったサービスをおこなっているのが、大手運送会社です。

ヤマト運輸地域共創部 川野智之さん
「培ったネットワークを生かして、ただ物を運ぶだけでなく、これから先、地域の方々に安心をお届けすることができないかと」

通知を受けた家族などが訪問できなければ、近くの営業所のスタッフなどに“代理訪問”を頼めるというサービスです。全国展開している強みを生かしています。(クロネコ見守りサービスハローライト訪問プラン 月額1078円)

2021年からスタートして、現在は8000人ほどまで利用者が増えているということです。

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ガス会社も「見守りサービス」を展開しています。

東京ガス・リビング戦略部 大塚純子主任
「ガスの見守りからヒントを得て、何かみなさまの生活の中に私たちのノウハウを展開できないか」

去年から始めたのは、ドアにセンサーを取り付けて異変を検知するサービスです。トイレなどの普段よく使うドアに設置することで、開閉が24時間ないとコールセンターから連絡する仕組みとなっています。(「もしものたより」月額990円)

東京ガス・リビング戦略部 大塚純子主任
「(親と離れて暮らすことで)親の生活の方も不安だけれども、まめに連絡することができないということで」

高齢者の親を持つ子どもからの申し込みが多いということです。

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こうしたサービスは企業だけでなく、自治体にも広がっています。

東京の稲城市では令和7年3月まで、市内に住む75歳以上の一人暮らしを対象に「クロネコ見守りサービスハローライト訪問プラン」の利用料金の全額補助をおこなっています。

また、秋田・大仙市や大分・中津市などの自治体では、見守りサービスをふるさと納税の返礼品として採用しています。

行政と民間が一体になって地域の人たちを見守る動きも広がっています。