「一生罪を償って生きてください」“セクハラ”被害の元自衛官に直接謝罪 加害者4人から“謝罪の手紙”も…
セクハラ被害を受け陸上自衛隊を退職に追い込まれた五ノ井里奈さん。17日、加害者の4人の男性が五ノ井さんに直接謝罪をしました。さらに、セクハラ被害の“隠ぺい”について、新たにわかったことがありました。
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性被害を訴える元陸上自衛官 五ノ井里奈さん(23)
「本日、加害者4名の方から直接謝罪を受けました。土下座をして私の方に謝罪をしました」
17日に会見を行ったのは、ことし6月まで陸上自衛隊に所属していた五ノ井里奈さん(23)です。
性被害を訴える元陸上自衛官 五ノ井里奈さん(23)
「私に対し『不快に思わせたこと間違いありません』『大変申し訳ありませんでした』と。一生罪を償って生きてくださいとお約束しました」
その罪というのが、五ノ井さんが陸上自衛隊にいた頃から訴え続けてきた日常的なセクハラや性被害です。
自らが東日本大震災で被災した際、避難所で入浴支援をしてくれた女性隊員にあこがれ、入隊したという五ノ井さん。しかし、卑劣なセクハラがきっかけで、わずか2年で退職に追い込まれました。
五ノ井里奈さん(9月6日)
「男性隊員が私に首をキメて倒して、そのまま覆いかぶさって腰を振るということがありました」
被害を公にしないよう、口止めを促されたとも訴え、自衛隊の“隠ぺい体質”も変えるよう求めてきました。
これを受け、9月に隊員およそ100人の調査を行い、“陸上自衛隊のトップ”が会見。五ノ井さんに対し複数の隊員が“日常的”にセクハラを行っていたことを認め、謝罪しました。
さらに、五ノ井さんが求めたのが、加害者たちからの直接の謝罪です。
五ノ井里奈さん(9月29日)
「必ず私の方に直接謝罪に行くように(加害者に)言っていただいてもいいですか?」
そして、迎えた17日。
性被害を訴える元陸上自衛官 五ノ井里奈さん(23)
「私が今までしてきたのは、加害者から直接謝罪をもらうために活動してきたので」
この日のために被害を訴え続けてきたという五ノ井さん。17日に加害男性4人から1時間ほど、直接謝罪を受けました。
性被害を訴える元陸上自衛官 五ノ井里奈さん(23)
「謝罪を受けたときは涙も流れましたし、やっとこの日がきたんだと。本人たちの覚悟はこの手紙をいただいたので」
加害者4人から渡された手紙。五ノ井さんはそれを読み上げました。
加害男性からの手紙
「五ノ井さんが陸上自衛官として勤務、活躍したいという夢を、私の軽率な行動で壊してしまい、大変申し訳ございませんでした」
書かれていたのは、加害者直筆の謝罪の言葉でした。
また、謝罪の中では、セクハラの隠ぺいは自衛隊の組織ぐるみではなく、加害者たちが話し合いのもと、口裏を合わせ隠ぺいしていたことも発覚しました。
防衛省は今後調査を進めて「懲戒処分を実施し公表する」としています。