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防衛省 元女性自衛官への“セクハラ”認め謝罪

2022年9月29日 16:05
防衛省 元女性自衛官への“セクハラ”認め謝罪

防衛省は29日、今年6月まで陸上自衛隊に所属していた五ノ井里奈さんに対し、複数の隊員が日常的なセクハラ行為を行っていたことや、訓練時などに性的な身体接触をしていたことを明らかにし、謝罪しました。

防衛省は元自衛官の五ノ井さんが複数の男性隊員から性被害を受けたと訴えている件について、陸上自衛隊東北方面隊がおよそ100人の隊員から聞き取り調査を行った、途中結果を公表しました。

それによりますと、

▽2020年秋に駐屯地の警備業務をしていた際に隊員が性的な身体接触を行ったこと

▽2021年6月に、訓練を行う演習場で野営をしていた際に、隊員が性的な身体接触や発言を行ったこと

▽2021年8月に訓練を行う演習場の宿泊施設で、隊員が五ノ井さんを押し倒し、性的な身体接触を行い、これを口外しないよう五ノ井さんに口止めを行ったこと

が確認されたということです。

さらに、2021年8月に演習場の宿泊施設で起きた事案については、五ノ井さんが中隊長に被害を訴えたことに対して、中隊長は、上官にあたる大隊長への報告をせず、事実関係の調査を実施していなかったということです。

これらのセクハラ行為が具体的にどのようなものであったかは、触った部位についての主張に相違などもあり、今後の調査で明らかにしていくということです。

また、五ノ井さんに対して、セクハラ行為を行った隊員は複数だということですが、人数などは調査中だとして明らかにしていません。

さらに、調査の過程では五ノ井さん以外にも複数の女性隊員がセクハラ行為の被害にあっていたことが確認されたということです。

防衛省は今後、調査を進めて被害の詳細などを確定させ、「懲戒処分の手続きを進め、速やかに懲戒処分を実施し、公表する」としています。

調査の途中結果の公表にあたって会見した吉田陸上幕僚長は、「これまで長く苦痛を受けられている五ノ井さんに対し、陸上自衛隊を代表して深く謝罪申し上げる」と述べました。

その上で「全国の中隊長全員に教育を行いハラスメントの根絶をはかっていく」と強調しました。