「私の傷は一生の傷」“セクハラ”被害…元自衛官に加害者4人が直接謝罪
セクハラ被害をうけた元陸上自衛官の五ノ井里奈さん(23)が、17日、加害者4人から1人ずつ直接、謝罪を受けました。五ノ井さんは会見で「自分のような被害者を守ってほしい」と訴えました。
◇◇◇
元陸上自衛官の五ノ井里奈さんは、あこがれだった自衛隊に入隊するも、度重なるセクハラに耐えかね、今年6月に退職を余儀なくされました。
17日、セクハラの加害者から直接、謝罪を受けることになったのです。五ノ井さんは17日朝、緊張した面持ちで駅へ向かい、「しっかり事実を認めてもらって、謝罪してほしい」と話しました。
セクハラ行為は、陸上自衛隊に所属していた約2年間、複数の男性隊員から日常的に行われていたといいます。
性被害を訴える元陸上自衛官・五ノ井里奈さん(23)
「胸が大きいだの、おしりが大きいだの発言や、急に抱きついてくるとか」
“我慢の限界”を超えたのは、去年8月でした。
五ノ井里奈さん
「私の両手首を押さえつけてきて、そのまま腰をふるという。周りに十数名いたので、みんな見てる状態で、『これ、誰にも言わないでね』って」
この件では、自衛隊の捜査で今年1月、3人の男性隊員が「強制わいせつ罪」の疑いで書類送検されましたが、5月に不起訴処分になりました。五ノ井さんはこうした結果を不服とし、防衛省に、第三者機関による調査などを求める要望書を提出しました。
防衛省は、聞き取り調査をし、先月、複数の隊員が“日常的にセクハラを行っていたこと”を認め、防衛省と陸上自衛隊の幹部が五ノ井さんに謝罪しました。
17日午前、五ノ井さんは、加害者4人から1人ずつ直接、謝罪を受けました。
五ノ井里奈さん
「涙を流している方もいましたし」
謝罪の手紙には――
加害者の男性自衛隊員
「陸上自衛官として活躍したいという夢を、私の軽率な行動で壊してしまい、大変申し訳ございませんでした」
加害者の男性自衛隊員
「なじめるような環境づくりをしてきたのですが、距離が近づきすぎ、不快に思わせてしまい、深く反省しています」
五ノ井さんは会見で「自分のような被害者を守ってほしい」と訴えました。
また、「私の傷っていうのは一生の傷なので」「(被害を)申告された方を辞めさせずに、守って解決に至るような対応を今後、考えてほしいと思います」と話しました。