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鳥になったママへ 絵本で伝える想いと願い

2022年4月1日 16:18
鳥になったママへ 絵本で伝える想いと願い
7歳の時に大好きな母親をがんで亡くした空田華実(そらた・はなみ)さん。幼い頃のエピソードと母への思いを絵本にしました。そんな華実さんの二十歳の誕生日に届いたのは、母からの手紙。亡き母と少女の13年間の記録です。



大好きな「鳥になったママ」。

空田華実ちゃん(7)
「なんでママが死んでしまうん?って思った」

20歳になった今、できること。13年前に作った絵本をカタチにしました。

空田華実ちゃん
「わたしが『ピーコ』と呼ぶと、ピーコは頭をかしげてじっと見た」

朗読・空田華実さん
「『はな、どうしたん?』と言って見てくるときのママみたいだ」

空田華実さんは栄養士を目指し、短大で学んでいます。

ママの福子(ふくこ)さんは、お日さまのように あたたかい人でした。

母・福子さん
「じょうず、じょうず、はなちゃん」

料理が上手で、リクエストしたら何でも作ってくれました。誕生日にはいつも、手作りのケーキ。

でも、華実ちゃんが3歳になる頃、ママのおなかに卵巣がんが見つかります。32年の短い人生を終えました。ママが亡くなり、パパと一緒におじいちゃんの家で暮らしていた時、おじいちゃんの手に一羽のスズメが舞い降りてきました。

祖父・利一さん
「ほんとにもうこれママかな言うて」

華実ちゃんのそばを離れようとしないのです。ママが生まれ変わったのかもしれない。この出来事を、手作りの絵本にしました。

空田華実ちゃん
「『あ、ママだ』。ママが私のことを心配してお家に帰ってきたんだ。『ママおかえり』」

野生のスズメを飼うことはできないと知っていたパパは、華実ちゃんに「いつまでもママに心配ばかりかけていたら、ママは天国に行けなくなってしまうね」と言い聞かせました。

そして――

父・義広さん
「あっ、そら行けー、飛んで行った」

あれから13年。クラウドファンディングなどで寄付を募って製本し、「鳥になったママ」が完成しました。集まったお金は、がん検診の啓発活動のための資金や寄付金として役立てます。

同じ悲しみを繰り返さないために。生きていたら、45歳のママへ。二十歳の娘からの、贈り物です。

朗読・空田華実さん
「あの日パパは泣きたいのに笑った顔で、『ママは一生懸命頑張った。いつまでも泣いていたら、ママが天国に行けなくなるね。はなみもパパもママみたいに強くなろう。ママはいつでも、はなとパパのそばにいるよ。はな、笑って』」

母・福子さん
「はな、笑ってください」

ママも華実さんに、贈り物を用意していました。遺品を整理している時に、家族が見つけたママからの手紙です。

母・福子さんからの手紙
「この間、寝返りができたばっかりの華実が、二十歳になっているなんて、本当に楽しみでしょうがありません。彼氏はいるんだろうか?成人式には、どんな振袖を着るのかな?パパは華実が生まれてからずっと『嫁にはやらん』と冗談っぽく言っています。それでは、最後に…パパとママの子に生まれてきてくれて、ありがとう。そして、これからもよろしくね」

空田華実さん
「うれしかったですね。久しぶりに会えた感じがして」

朗読・空田華実さん
「ありがとうママ。いっぱい食べて、ゆっくりおやすみ」


NNNドキュメント2022年2月27日放送『鳥になったママへ』(西日本放送制作)を再編集しました。
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