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東京パラ銀車いすバスケ鳥海連志「ここがホーム。応援、必ず糧に」母校で誓うパリへの飛躍

2022年3月23日 23:01
東京パラ銀車いすバスケ鳥海連志「ここがホーム。応援、必ず糧に」母校で誓うパリへの飛躍
母校を訪問した車いすバスケボール日本代表、鳥海連志選手 (写真:長田洋平/アフロスポーツ)

東京パラリンピック車いすバスケットボール銀メダリストの鳥海連志(れんし・23)選手は23日、長崎にある母校の西海市立大崎中学校を訪問、約100人の生徒たちへ、車いすバスケの体験会を行いました。

鳥海選手は手脚に先天性の障害があり、3歳の時に両足を切断しました。しかし、幼い頃から身体能力が高く、5歳の頃には腹筋が割れ、家の中を逆立ちで歩いていたと言います。

車いすバスケを始めたのは中学1年生の時。テニス部に入り義足でテニスの練習をしていた鳥海選手を、バスケ部の顧問の先生が見かけ、隣町の佐世保市で活動する車いすバスケチームを紹介したことがきっかけでした。

「まず(競技用車いすで)まっすぐ進む事が難しいんですよね、最初。シュートも難しいです。僕は幼い頃から負けず嫌いで、出来ないことの方が楽しかった。それが車いすバスケットボールとの出会いでした」

この日、鳥海選手の指導のもと、実際に競技用車いすに乗り、試合形式で車いすバスケを体験した生徒たちも「普通のバスケと違って、ボールを持つのも車いすを動かすのも手を使うから、どっちに使えば良いのか悩むのが難しかった」「なかなかまっすぐ進めない」「ゴールが高かった」と、その難しさを興奮した様子で話していました。

それを聞いた鳥海選手は「ゲームの時は盛り上がってくれたり、車いすバスケットボールを通して生徒たちと作り上げられた時間だった。楽しかったしうれしかった。障害があるからこういうことをやっているというよりは、スポーツが持つ力を伝えに来た」と、うなずきました。

東京パラリンピックでは、1試合平均10.5得点、7.0アシスト、10.75リバウンドの活躍を見せ、日本の銀メダル獲得に貢献。国際車いすバスケットボール連盟が選ぶ大会MVPにも輝いた鳥海選手。パリパラリンピックでは、2大会連続のメダル獲得を目標に、練習に打ち込んでいると言います。

「ここの生徒は特にですけど、僕のことを知ってくれている生徒がたくさんいて、こんなに応援してくれているということが、僕がバスケットボールを続ける意味にもなっている。ここがホームだっていうことが感じられました。またパリに向けて進んでいきますけど、その糧に必ずなると思います」

母校の生徒たちの声援に背中を押され、2年後の大舞台へ飛躍を誓いました。