死者も…小林製薬「紅麹」問題 “サプリ摂取者”腎臓機能に「異常な数値」訴え
健康被害が拡大し続けている小林製薬の「紅麹」を使った商品。飲んでいた1人が死亡したことが新たにわかりました。そして問題の発表まで飲み続けていたという男性を取材すると、腎臓機能に「異常な数値が出た」と訴えました。
「(健康診断で)コレステロールまわりだけ判定がよくなかったので、Web上で見つけてちょっと飲んでみようかなと」
26日、私たちは小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」を飲んでいたという30代の男性に話を聞きました。約1か月前から毎朝3粒飲み続け、実際にコレステロールの値は格段によくなったといいます。しかし、体調に“変化”が出始めたといいます。
小林製薬の「紅麹サプリ」を摂取(30代)
「いわゆるけん怠感。寝転がった時に起き上がれる気がしないような、体のだるさを感じたり、夜間にトイレに行く回数が1日につき3~4回とか増えて目が覚めちゃう」
さらに…
小林製薬の「紅麹サプリ」を摂取(30代)
「腎臓に関連する(値が)異常値を示していた」
健康被害が相次いで報告されている小林製薬の「紅麹」問題。小林製薬によると、腎臓の疾患などで25日までに26人が入院していたことが確認されていて、新たに、入院の報告が50件寄せられたといいます。さらに…
小林製薬のHP
「製品と死亡との因果関係が疑われる事象を1件把握いたしました」
サプリメントを飲んでいた1人が、死亡していたこともわかりました(26日深夜、死亡した人は合わせて2人となっていることを、厚生労働省が明らかにしました)。
死亡した患者は2021年4月から先月まで継続的に「紅麹コレステヘルプ」を購入していて、今月23日に遺族から会社に連絡があり判明。死亡したのは今年で、腎臓の疾患だったということです。小林製薬は、商品と死亡との因果関係が疑われるものの、詳しい事実関係は確認中だとしています。
小林製薬の「紅麹サプリ」を摂取(30代)
「もう…とても怖いですね。発覚してから発表されるまで2か月くらいあったという話でしたので、そこがもうちょっと早く発表いただけたら、私が購入することもなかったのかなと」
小林製薬の「紅麹原料」を含む製品の自主回収の動きも広がっています。化粧品大手「ノエビア」もサプリメントの自主回収を発表。影響は国内にとどまらず…
渡辺容代記者・NNN上海
「台湾当局も小林製薬の紅麹原料を使った製品についての対応を発表している」
台湾でも、小林製薬の「紅麹原料」や「原料を使った製品」の回収が求められる事態に。
今回の問題を巡っては、SNS上でも様々な懸念の声があがっています。
SNSより
「これから食品買うときは必ず原材料見て買おう…」
「違う会社だけど紅麹入ってた。大丈夫かな?」
ただ今回問題となっているのは一部製品に“想定しない成分”が含む可能性があるとされる小林製薬の「紅麹」です。
紅麹すべてが問題というわけではありませんが、ペットフードを扱う企業にも、製品の原材料の欄に“紅麹”と書かれているため、報道後、100件以上の問い合わせが来ているといいます。現時点で自主回収の予定はないということです。
いなばペットフード広報
「小林製薬の紅麹は一切使っておらず、お客様からの問い合わせにもそのように説明しております」
26日、厚労省と消費者庁は小林製薬の担当者にヒアリングを実施。厚労省は今週中にも審議会を開き、小林製薬の「紅麹」を原材料としている関連食品の安全性なども判断していくということです。小林製薬は「体調不良を感じたらお客様センターへ相談してほしい」としています。
(3月26日放送『news zero』より)